ドイツはなぜ少女像に薄情にふるまうのか

日本、’民族主義に拒否感’あるドイツに慰安婦問題を反日民族主義に歪曲して接近
過去を反省してきたドイツの「軌道離脱」…オスマン帝国のアルメニア人虐殺追悼する
少女像の普遍的価値をさらに強調する必要性…現地メディア「日本の政治的圧迫の結果」を指摘

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「ベルリンが国際的に自由と人権のための記憶文化の中心地となる良い機会を、歴史否定を通じて自ら捨てているのです。」

ベルリン市のミッテ区が審査を通じて設置許可を出した少女像を除幕9日後に撤去するように去る7日に行政命令を下したことに対して20代のドイツ市民であるキラクが言った言葉だ。

ドイツの分断期に東と西に分かれたベルリンは統合の象徴であり、移民者社会成長の断面を如実に見ることができる空間だ。

これはベルリンが自由と人権を象徴しながらも「ヒップ(hip)」な国際都市の一つに成長する原動力となってきた。

特に、過去ナチスの本拠地だったベルリンは、統一ドイツの首都の座を取り戻した後、過去史に対する反省と極右主義、ポピュリズム、民族主義、国家主義に対する牽制の本山になってきた。

ミッテ区が少女像を受け入れたのもこのような脈絡からだ。 戦争時に行われた女性に対する暴力問題を扱うという普遍的価値を認め、銅像の設置に同意した。

ベルリンで日本軍慰安婦被害問題を提起してきた団体や市民は民族主義と反日感情とは距離がかなりある。

銅像の設置を主導したコリア協議会(Korea Verband)は、韓国関連事案を主に扱ってきたが、普遍的人権を優先してきた。

ベルリンで国際的な女性に対する暴力に反対するデモで、日本軍慰安婦被害者問題は主要議題の一つだった。

この過程でコリア協議会は地域社会と呼吸を合わせてきており、近くの高校生を対象に戦争被害女性問題について教育も行った。 これは学校で授業活動として認められた。

ドイツで日本軍慰安婦被害者問題が自然に女性の人権の普遍的な議題の中に少しずつ浸透したのは、ドイツ市民社会の土壌のおかげだ。

ドイツは民族主義,国家主義にアレルギー反応を示してきた. 民族主義、国家主義をファシズムが発現する一つの形で見る見方を見せてきた。 ナチス時代を反省し、恥ずべき過去に回帰しようとする試みを排撃するためだ。

フランク・シュタインマイヤー大統領とアンゲラ・メルケル首相などドイツの指導者たちは、事あるごとに、民族主義、国家主義、人種主義、全体主義の跋扈に対する警戒心を示す。

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日本はドイツのこのような認識を逆に精巧に掘り下げていった。

我々としては悔しいことだが、日本は、ドイツで執拗なロビー活動を通じて日本軍慰安婦被害者問題を韓日間の外交的紛争、民族主義問題にした。

ドイツ当局が韓日両国間の紛争と認識し、負担を感じさせようとする日本側の試みと見られる。

産経新聞の報道によると、日本はベルリン少女像の制作を支援した「正義記憶連帯」の会計処理不正疑惑事件まで巻き込み、ドイツ側を説得する武器にした。

ミッテ区の撤去命令公文や報道資料には、このような日本側の主張が反映されていると、地元の専門家らは分析している。

ミッテ区は少女像の碑文が韓国側の立場で日本を狙っているとし「ミッテ区は韓国と日本の間に葛藤を起こし、日本に反対する印象を与える。 一方的な公共の場の道具化を拒否する」と撤去命令の理由を挙げた。

むろん、ドイツが外交的、経済的立場で同じG7国家である日本の執拗な要求を受け入れたという観測もある。

これに対してドイツ現地のマスコミでも、ミッテ区に対する批判が出ている。

ドイツの進歩メディアタゲスシュピーゲルは8日の記事で「日本政府は自分たちの謝罪が真のものではなく戦略的だったことを、独善的な自己主張を繰り返すということを見せている」とし「ドイツと日本政府がした方式はこのような銅像がどれだけ必要かを見せている」と指摘した。

特に同紙は「ミッテ区は少女像を非難し、少女像を設置した関係者たちを不正直な人たちに追い込んだ」とし「ここには明らかに(日本の)政治的圧迫と自分たちの失策を隠そうとする意図が隠されている」と批判した。

ベルリン市民社会では、ベルリン地方政府が進歩系の社会民主党、緑の党、左派党連合政権という点で、さらにミッテ区の決定に対して批判的な声が高い。

進歩勢力が普遍的な戦争被害女性問題を民族主義問題と見誤っているということだ。 ベルリン市長は社会民主党、ミッテ区庁長は緑の党所属だ。

ドイツ当局の今回の動きは、戦後のドイツ社会の進んだ道とは食い違っている。

ドイツは世界的に人権に対する感受性の高さを示す、過去史に対する絶え間ない反省を通じて自由民主主義の発展と市民社会の成熟を追求する代表的な国だ。

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ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)に対する徹底した反省は代表的な例だ。 まだ植民地支配時代については反省が足りないという批判も受けているが、「フンボルトフォーラム」を作って努力する姿を見せてくれている。

フンボルトフォーラムは、ベルリンの旧プロイセン王宮を復元した建物を植民支配の歴史に対する省察で埋めようという試みだ。

撤去命令に対してベルリン市民が首を横に振る理由も、ドイツのこのような努力とは異なる判断だからだ。 ドイツ市民社会では撤去命令に反対する請願運動も始まった。

私たちにとっては、日本軍慰安婦問題が国際的かつ普遍的な女性の人権問題という点をドイツ市民社会にさらに強調して共感を広げていく必要性がある内容だ。

ベルリンの少女像の許可期間は当初1年だった。 期限が切れる前に延長しなければならない。 撤去命令に対する効力停止仮処分申請が裁判所で受け入れられ、本案訴訟につながる場合、しばらく少女像を守ることができる。

しかし、今回の事態で対決的構図が展開されれば、1年後に審査通過を断言することはできない。

民族主義とファシズムを緑同色と見るしかないドイツ人を説得して日本の歪曲の試みを防ぐためには、ドイツで慰安婦被害者問題と関連して今まで見せてくれた普遍的ながらも、未来志向的な活動をもっと積極的に展開しなければならないという声が、海外同胞社会から出ている。

イ・ジンドイツ政治・文化研究所長は「ドイツとフランスは20世紀初め、トルコ・オスマン帝国のアルメニア人虐殺事件追念碑と政府公式行事を通じて自国の記憶文化として受け入れた」とし「友好的な現地マスコミが示すように、ドイツ内のアジア系市民たちが問題の国際性と普遍性に集中すればその声も主流社会に定着するだろう」と述べた。

特に韓半島研究はその成果が一般に伝わるよう現地言語で蓄積されることが重要だ」と強調した。

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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ