みんな蛾になった話

歴史
1: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2014/09/30(火) 00:48:01.92 ID:PxgiPx6n0
あなたは一軒の廃屋を見つけた。
それはとても古いものであることがはっきりとわかるほどに風化しかけている。
この時代にはあり得ない木造の建築だ。あなたは俄然興味を惹かれる。
あなたは中へと踏み入った。
中には最低限の家具しか見当たらない。
ベッドに本棚、食器棚と、それからテーブル。どれもやはり木で作られたもので、今となっては数百万もくだらないほどのビンテージに見える。中でもテーブルなどは素人目にも明白なほどおそろしく立派な造りであり、その上かなりの年季物だった。
これなら下手をすれば数千万、いや、それどころではないかもしれない……。
あなたは目もくらむような大金への期待に胸の踊るような高揚感を覚えた。
ふと、あなたは現実に意識を戻す。
すると目の前のテーブルには一冊のノートが置いてあることに気がついた。
いや置いてある、というよりは、無造作に放り出されている、ように見える。
その扱いの不当さを示すかのように表面も傷だらけであった。
あなたは引き込まれるようにそのノートへと歩み寄って行く。
表紙には「The Diary」と印字されていた。
あなたはそれが文字であるらしいことは理解できたが、意味はわからなかった。
戦前の文字ではないか、という考えがあなたの頭を過る。
しかしすぐにそんなわけがないと思い直す。
そしてあなたはノートに手を伸ばす。
随分と古びて傷んだノートだがこんなものでも値はつくのだろうか、などと考えながら、あなたは最初のページを開いた。
そこにはこう書き始められていた。

引用元: みんな蛾になった話

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Source: 不思議.NET

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