小学四年生の時の話。
当時俺は団地に住んでた。団地といっても地名が○○団地ってだけで貸家が集合してる訳じゃなく、みんな一戸建てにすんでるようなとこだった。
当時すでに高齢化が進んでいた地域だったため、同じ学校の生徒、ましてや同級生なんてほぼいなかった。だから俺は自然と二つ上の兄貴とその友達と遊ぶことが多かった。
その団地には兄貴とタメのやつが他に二人いて、名前を田中、林といった。俺が入学した頃からその四人でよく遊んでいた。
四年の春にその団地に転校生がやって来た。名前は慶太といって兄貴と同学年だった。遊び相手が増えた俺たちは慶太を誘い、毎日日が暮れるまで遊んだ。
最初こそ慶太は俺たちを拒んでいるような雰囲気を醸し出していたものも、日が経つにつれてそれはしだいに薄れていった。
慶太が越してきてはじめての夏。新たな仲間を迎え入れた俺たちは五人の秘密基地を作ることにした。秘密基地といってもただ藪の中に空間をつくってそこに段ボールやら敷物やらを置いただけの稚拙なものだったけど、当時の俺らには特別なものに感じられた。
兄「ここは俺らだけの秘密基地やけん絶対誰にも言うたらいかん」
完成直後、兄貴がいった。
田中「そらそうやわ。なんのための『秘密』なんやって話になるわ」
林「ほやけど絶対話さんてホショーは誰もできんよな」
兄貴達がいかにこの秘密基地の存在を知らしめないようにしようかと話始めた。「ばらしたらぼこす」だとか「駄菓子屋で500円分みんなにおごる」だとか色々な意見が出て話がまとまらなくなったとき、今まで黙っていた慶太が口を開いた。
慶太「皆で秘密をいいあったらええやん」
兄「言い合う?」
田中「みんなで自分の秘密を教えあって、基地のことを誰かが言うたらそいつの秘密をばらすってこと?」
慶太「そういうこと」
まぁそれならと話がまとまりみんな自分の秘密を言い合った。俺は兄貴の部屋のエロ本の隠し場所を話したが「俺の秘密じゃねぇか」と兄貴に殴られた。多少の血は流れたものの、順番は慶太になった。
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Source: 不思議.NET
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