【結果発表】怖い話グランプリまとめ＆番外編ネタ部門

管理人特別賞（Amazonギフト券5,000円分）

『心霊スポットどんでん返し』
ハトムギ　様

『稲刈りのあと』
八雲ゆきか　様

『忘れらない言葉』
蒼風　様

惜しくも受賞からは外れてしまったものの、たくさんの怖い話・不思議な話がありましたので、後日サイト上で紹介させていただければと思います。

また、ご応募してくださった方の中には一人で100話以上送ってくれた方がいらっしゃいました。
この方のお話は「がんばったで賞」として、後日「百物語」として記事にさせていただければと思っております。

受賞は逃されたものの、ネタとして面白かった作品もあったので、最後に番外編として１話ご紹介したいと思います。
次回はネタ部門も設けたいところですね。

ネタ部門1話目『許せるタイプの幽霊』

ペンネーム：今思えば悪いことした

この前電車に乗ってたら急に腹が痛くなってきて、どうにも我慢できないから仕方なく次の無人駅で降りることにした。

電車から降りた時にはもうマジで決壊寸前。振動を与えたら終わるという確信があったので、年甲斐もなく両手でケツを抑えながら、なるべく胴体を揺らさないよう早歩きでトイレを目指した。

誰もいない改札を足早にくぐり抜け、競歩選手のごとき足取りでトイレにピットイン。
手前の個室が空いてたので無我夢中で駆け込んだ。クソ汚いトイレだったが、これから自分もクソをぶちまける以上文句は言えない。
というか最早そんなことを考える余裕もなかったのでとにかくズボンとパンツを下ろし、出すもんを出した。いっぱい出た。

が、腹の痛みは中々引かない。普段は信じもしない神に祈りを捧げつつ、俺は腹痛が収まるのを待った。
すると突然、隣の個室からドンッ！と壁を叩く音が聞こえた。

「え、隣に人いたの？排便音聞かれたじゃん恥ずかし～」とか考えてたらまた隣から壁を叩く音が。
しかも今度はドドン！ドッ！ドドン！って完全にターミネーターの曲のリズムで叩いてる。

あまりの意味不明さに腹の痛みも忘れて硬直してると、またドドン！ドッ！ドドン！のリズムを刻んでくる。
ピンと来た俺は、こちらからもターミネーターのリズムを返してあげた。
すると、「正解！」とでも言うようにｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝ！と小刻みに壁を叩く音が聞こえてくる。
顔も名前も知らない相手だが、便所の壁を介して何かが通じ合ったような気がして、無性に嬉しかった。

その後も隣の奴はサザエさんのEDやマリオの地上BGMなど、様々なリズムを奏でてきた。
そして、その度に俺も同じリズム、あるいは曲の続きのリズムを返し続けた。
最終的に二人で笑点のテーマを完奏した後は、あまりの達成感に思わず涙が出そうになった。
その頃には腹の痛みもすっかり治まり、丁寧にケツを拭いた俺は晴れやかな顔で立ち上がった。

下痢から始まる友情もあるんだ。なんだか胸がいっぱいだった。
「顔を合わせるのも何か違う気がするし、個室を出たら感謝のワンノックだけしてすぐ立ち去ろう」
そんなことを考えながら大量のクソを流し、扉を開けた。
そして隣の個室を確認すると、そこには誰もいないクソ汚い便器だけがあった。

今度は走って逃げた。

この度の「真夏の怖い話グランプリ」、初めての企画でありましたが、応援いただき、そしてたくさんのご応募をいただきいただきありがとうございました。
また、学ばせていただく点も多くありましたので、次回以降に活かしていければと思います。
今後とも不思議.netをよろしくお願いいたします。