夏目漱石の『夢十夜』とかいう日本の文学史上で一番美しい小説

歴史
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1: 風吹けば名無し 2018/01/19(金) 23:14:13.08 ID:3vguczmM0
腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますという。
…しばらくして、女がまたこう云った。
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
…「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから。

…自分は苔の上に坐った。これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。
そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。
一つと自分は勘定した。

…勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。

…すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。

…自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、白い花弁に接吻した。
自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

引用元: 夏目漱石の『夢十夜』とかいう日本の文学史上で一番美しい小説

20: 風吹けば名無し 2018/01/19(金) 23:18:04.50 ID:8PPBLWZ70
ええやん
こういうのすこ

2: 風吹けば名無し 2018/01/19(金) 23:14:46.44 ID:6kcaEhnS0
高校でやるよな

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Source: 不思議.NET

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