今は夏休み。私は、瀬戸内海の近くにある母方の祖父の家に来ていた。
海沿いは切り立った崖が続いており、洞窟がたくさんあることで有名だ。
私は祖父の家に来ると、ひとりで海岸に行き、懐中電灯を片手にまだ入ったことのない洞窟を探索するのが好きだった。
祖父と母親は折り合いが悪く、いつもケンカばかりしていたので、ひとりでいたほうが気が楽だったのだ。
今日見つけた洞窟は入り口がかなり狭く、目立たない場所にあった。
もしかしたら、まだ誰も入ったことのない洞窟かもしれない。
私は少し興奮しながら奥へと進んでいった。
洞窟は緩い登り坂だった。足元の岩も湿っている。
私は懐中電灯で足元を照らしながら、注意深く進んでいった。
ずいぶんと長い洞窟だ。あるいは、どこかに通じているのかもしれない。
ところが、洞窟は急に行き止まりとなった。
途中で分かれ道もなかったので、残念だが引き返すことにした。
しかし私は重大な事実に気がついた。潮が満ち始めている。
今日が大潮の日だということを忘れていた。
戻るにつれ、水位は膝下から腰の高さになり、ついには肩まで水に浸かってしまった。
帰り道は下り坂なので、完全に立ち往生してしまった。
次の干潮までにはおよそ半日かかる。私は途方にくれた。
その時、突然右手に衝撃が走った。
掲げていた懐中電灯がはたき落とされたのだ。
懐中電灯は水没し、あたりは真っ暗になる。
私はあっと声を上げた。
次の瞬間、しわくちゃの手で首元を掴まれ、私は頭を水に押し込められた。
パニックで大量の海水を飲み込む。意識が遠のいてゆく。
「ごめんな」
最期に聞いた声には、なぜか聞き覚えがあった。
答えは赤色になってます。
問題のすぐ下に答えが来る場合が多いので、自分で考えて楽しみたい方はスクロールに注意してね!
引用元: ・意味が分かると怖い話を7作書いたから評価してくれ
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Source: 不思議.NET
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