これは俺が10年以上前に体験した話。
当時僕は田舎にある実家に住んでいた。実家は古くから立つ日本家屋ではあったが
あたり一面に田んぼがあるほどのド田舎という以外はごく普通のどこにでもあるような家だ。
大学も卒業したというのに仕事も見つけずだらだらと過ごす毎日。
親には毎日のように非難を浴びせられていたがじきに呆れられ、殆ど放置された状態になった。
今思うと人生で一番最低な時期だったと思う。
ある日、蝉の声を聞きながらいつもの様に縁側でぼーっとしているときだった。
「マサ。」
名前を呼ばれて振り向くと縁側を隔てたすぐ横の部屋ににじいちゃんが立っていた。
よれよれのランニングシャツにらくだ色の腹巻と股引き。
漫画から飛び出したようなまさに「じいちゃん」的な格好をいつもしている。
このじいちゃんは昔から俺に様々な体験をさせやがった人で、正直只者ではない事はガキの頃から知っていた。
じいちゃんは俺の向かい側に腰掛けた。
じ「お前、就職せんのんか?」
俺「するよ、近いうちに。」
じ「はっ、嘘をつけ。一生親のすねかじりになるつもりじゃろうが?」
俺「ばれた?」
じ「おいマサ、この田舎には本当に必要とされとるやつかバカのどっちかしか住んどらん。
お前はどっちでもないから遠方へ出て働け。」
俺「なんじゃそらvv」
じ「お前の為に言っとるんじゃ。」
その時のじいちゃんの目が異様に怖かった。話してる声はいつもの優しいじいちゃんなのに
今まで見たことないくらい鋭い目が俺の間抜け面を捕らえた。
その時はまだじいちゃんの言いたいことがわからなかった。
引用元: ・https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1173196483/
続きを読む
Source: 不思議.NET
コメント