何度もプログラムを書き換えられる量子コアをのせたシリコンチップ回路が完成した
量子テレポート現象を利用して、量子コンピューターのマルチコア化を成功させた
あらゆる暗号を解読し、あらゆる経済活動や金融取引に最適な答えを導くと期待される量子コンピューター。しかし、量子コンピューターが本格的に普及して世界を変えていくのはまだ先のことだと、少なくない研究者が予測しています。
なぜなら、量子コンピューターの心臓部である量子情報は、制御と測定が難しく、データ情報の抽出には困難がともなっていたからです。
コンピューターとして動くためにプログラミングは必須ですが、これまでの試作機的な要素が強かった量子コンピューターたちには、複数のプログラムを柔軟に受け入れる、ソフトのインストール能力が圧倒的に不足していました。
量子コンピューターの開発は、この2点のために足踏みを強いられていたのです。
しかし今回、ブリストル大学などの研究者たちが量子情報を効率的にデジタルデータに変換し、何度でもプログラムしなおせるシリコンベースの廉価な量子コアのチップの制作に成功しました。これは2つの欠点を見事に克服した技術といえるでしょう。
また、開発した量子コアを現代の古典的コンピューターが採用している、マルチコアに近い状況を再現するために、光子による量子テレポートを介して2つのコアを量子力学的に結合することにも成功しています。
Chip-to-chip quantum teleportation and multi-photon entanglement in silicon
https://www.nature.com/articles/s41567-019-0727-x
何度もプログラムが書き換えられる量子コア
現在の量子コンピューターには、WindowsやMacといった便利なOSがないだけでなく、OSをつくるにあたって必要なプログラムを作成する環境も整っていません。
ですが新たに開発された量子コアを搭載したシリコンチップは、繰り返し別のプログラムを動作させることができるように作られました。
これまではプログラムをつくるごとに、ファミコンカセットのように専用の回路を作り直す必要がありましたが、その苦労が圧倒的に緩和されることになります。
チップ回路間の量子テレポーテーション
また今回、このチップを2つ準備して、 2つのチップに搭載された量子コアに使用されている光子を、量子的なもつれ状態にする試みも行われ、2つのチップに搭載されている量子コア部分で量子テレポートも行われました。
量子的もつれ状態とは、同じ時間、同じ場所において、1つの粒子が全く異なる2つの状態(自転方向)を同時に有しており、観察しない限り、2つの状態はもつれたままで、どちらの状態が正しいかは解らないだけでなく、2つの状態の特性を同時にもっているという、不思議な物理現象を意味します。
また量子的もつれを、片方が右回転ならば、もう片方は左回転であることが決定しているような粒子ペア(光子や電子にある)に適応することで、一方の状態を確認するだけで、他方の状態は改めて確かめなくても確定できます。
これはどんなに遠い場所にあっても、即座に情報が確定するので、量子テレポートと呼ばれています。
ここで注意したいのは、実際に粒子がテレポーテーションする訳ではないという点です。
(続きはソースで)
https://nazology.net/archives/49507
reference: phys
https://phys.org/news/2019-12-chip-to-chip-quantum-teleportation-harnessing-silicon.html
引用元: ・http://egg.5ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1577580009/
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Source: 不思議.NET
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