研究財団「ノーベル賞に近い韓国人研究者」をめぐり、「妥当性・適切性論議」

「国内レベルのナビゲーションのための分析」 vs 「賞の基準とは無関係なのに、なぜノーベル賞言及?」

(ソウル=聯合ニュース)シン・ソンミ記者=韓国研究財団が今年の科学分野のノーベル賞受賞者の発表を控えて「ノーベル科学賞受賞者の研究業績に近い韓国人研究者」を発表したことについて、科学界での分析方法も妥当でないだけでなく、公共機関として適切でない行為との指摘が出ている。

研究財団は去る4日、国内外の機関に所属する韓国人の研究者17人の名前が掲載された「ノーベル科学賞受賞者の研究業績に近い韓国人研究者」のリストを公開し、研究者の一部を分析対象としてノーベル賞受賞者の研究成果と比較するためのもの説明した。

しかし、研究現場では基礎科学研究者ではなく、工学者まで含め、恣意的な基準で分析対象を決めたにもかかわらず、あえて「ノーベル賞」と関連付けて資料を公開したのは、政府のR&D管理機関としては適切でないという批判が出ている。

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生理医学賞と物理学賞、化学賞などの科学分野のノーベル賞の主な選定基準は、「研究の独創性」、「人類に貢献した貢献度」などである。最初の発見・技術開発を通じて知識を拡張したり、生活の質を高めるのに寄与するなど、人類に貢献した研究者が賞を受ける。

「重力波」を初めて検出するプロジェクトに寄与し、2017年にノーベル物理学賞を受けたレイナー・ワイス マサチューセッツ工科大学名誉教授、バリー・バリッシュ、キップ・ソーン カリフォルニア工科大学名誉教授などの研究も「最初」の業績に該当する。今年も太陽型恒星の周りを回る地球外の惑星を「最初」に発見した、スイスのジュネーブ大学ミシェル・マイヨール名誉教授とディディエ・ケロー教授がノーベル物理学賞を受賞した。

これはノーベル科学賞受賞者選定で「研究の独創性」と「初」が核心的基準に作用するということを示している。

研究財団は、今回の分析では、このような創造性は考慮せずに「ネイチャー」と「サイエンス」、「セル」などの論文を2編以上発表した研究者など、主に学術誌被引用数に基づいてリストを作った。

しかし、ノーベル賞受賞者の中にはネイチャーとサイエンス、セルなどに論文を載せていなかったり、学術誌被引用数が高くない研究者も難なく見つけることができる。

ホタルヨモギの中の成分がマラリアに効果があるという事実を初めて証明されて、2015年にノーベル生理学医学賞を共同受賞したト・ユウユウ中国伝統医学研究院教授が代表的である。研究財団によると、ト・ユウユウ教授は合計24編の論文を書いたが、一度もネイチャー、サイエンス、セルに掲載されたことはない。また、被引用数上位10%であるジャーナルに発表した論文は、4本に過ぎない。

これに対して研究財団は、「研究の独創性、人類への貢献度、学術影響力、研究業績などの様々な要因は、主観的解釈が入ることがあり、定量的かつ客観的な分析が可能な書誌分析のみを利用して検討した」と説明した。

しかし、ノーベル科学賞受賞者選定に最も重要な物差しとなる要因を除いて分析した結果を「ノーベル賞」の関連タイトルで公開したのは、辻褄が合わない説明だという指摘が提起される。

イ・ドクファン西江化学名誉教授はこれについて、「ノーベル賞は、被引用数で賞を与える記録試合ではない」と言い切った。

特に、国内で基礎研究のための政策と環境が整っていないにもかかわらず、ノーベル賞シーズンごとに受賞者を出すことができない科学界に向かって、「井戸から崇拝」という批判が提起されている状況で、政府のR&Dを管理する研究財団が研究活動をノーベル賞と関連づけて分析した資料を公開したこと自体が適切でないという指摘が出ている。

企業クラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター)の場合、毎年論文の被引用数に基づいて「ノーベル賞クラス」として優秀研究者を選定するが、科学界では、これを企業を宣伝しようとする広報行為とみなされている。

匿名を要求したある科学技術大学のある教授は「ノーベル賞シーズンに研究財団を大衆にアピールしようとするものと見られる」とし「しかし、その内容を見ると、基礎科学が発展しているのか、まだ不足しているのか、伝えたいメッセージもない」と批判した。

他の研究者も「ノーベル賞は、基礎研究に与えられるのに研究者の名前も入れた」とし「「ノーベル賞関係なく優れた研究者、このような形ならばむしろ良かった」と述べた。

これに対して研究財団は、「韓国の現在のレベルを海外の事例と比較・探索するためのもので、いくつかの特定の研究者を「選定」したものではなく、分析結果」とし「研究財団の支援の成果を個別に反映するかを考慮していなかった」と機関広報のためのものではないと釈明した。

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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ