車体を小さくして視野を広げて…未来型K装甲車「レッドバック」

【ミリタリーインサイド】国産装甲車「レッドバック」世界最強の秘訣

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アメリカ抜いて「5兆ウォン規模」の輸出目前
「地面衝撃吸収」ISU・ゴム軌道装着
軽量化により機動性を確保・防護機能を強化

車の内部からゴーグルで外部360度監視
車両状態送信など航空機技術も導入

今年の7月、韓国の防衛産業界に朗報が伝わりました。 致命的な毒を持つオーストラリアの毒グモから名を取った韓国産歩兵戦闘装甲車「レッドバック」の試作品2台が、京畿道平沢港から船でオーストラリアに向かうというニュースでした。

ハンファ・ディフェンスは昨年9月、米国などの錚々たる防衛産業企業を退け、ドイツ・ラインメタルディフェンスの「ルクス」装甲車とともに、オーストラリア軍の主力装甲車選定事業の最終候補に選ばれました。 オーストラリア政府は2022年第2四半期頃、最終事業者を選定する計画です。 事業規模だけで5兆ウォンにのぼる今回の事業を受注すれば、国産装甲車が先進国の主力装甲車になる初の事例になります。 この競争から脱落したメーカーの中には、「M2ブラッドレー装甲車」で有名なアメリカの「BAEシステムズ」も含まれていました。

●ライバル社の車より2トン軽い重量

レッドバックはなぜ「世界最強」なのか。 もっと深く取材してみることにしました。 重さ42t、最大時速65km、ラインメタルのルクス装甲車より2tほど軽いです。 ルクス装甲車は武装まで含めると、50トンに迫るという分析も出ています。 車体が重いと、機動性が落ち、敵の攻撃に弱くなります。 しかし、防護力を備えるためにはある程度の重さは甘受しなければなりません。 そこで開発チームは、車体の不必要な重さから減らすことにしました。

装甲車が走るときに地面の衝撃を吸収するには、懸架装置(サスペンション)が必要です。 以前は主に左右の車輪をつなぐ長い鉄の棒の形をした「トーションバー」という装置が利用されました。 地雷攻撃などでこの部分が壊れるといけないので、車体下部に非常に厚い装甲を重ねていきます。 当然、重さが増えるしかありません。 競合他社の製品であるルクスは、このような技術を採用しました。

一方、レッドバックはこのような鉄の棒のない「アーム内蔵式有機圧懸架装置」(ISU)を使用しました。 韓国がすでに過去に世界で初めて装甲車両に適用した優秀な技術です。 各車輪に小さなISUが装着され、能動的に衝撃を吸収します。 車体下部に装甲を重ねる必要もありません。 開発チームは、ここから大幅に減らした重さを上部装甲の強化に活用しました。

エンジンとトランスミッションを一つにまとめた「パワーパック」は、K9自走砲に適用されたものをそのまま持ってきて、最短期間で体系開発を完了しました。 かつては、K9パワーパックの開発過程ではドイツや米国の部品を全て輸入していましたが、現在はエンジン品目数の90%を国産化した状況です。

また、世界で1600台運用するK9で検証済みパワーパックという点で、信頼度が非常に高いと評価されています。 故障すれば過去のように車を修理するのではなく、パワーパックだけ出して交換する方式なので、利便性も高いそうです。

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もう一つの特徴は「ゴム軌道」(CRT)です。 カナダ軌道メーカーの「SOUCY」製品です。 重量は鉄製軌道が4.9トン、ゴム軌道は2.2トンと、なんと2.7トンの重量を減らせるようになりました。

皆さんが気になっている部分ですが、なんとゴム軌道の耐久性は最大5000キロで、鉄製軌道(2000~3000キロ)よりはるかに優れているそうです。 また、鉄製の軌道は500km前後で「ゴムパッド」を交換する必要がありますが、ゴム軌道は1年に800~1000km走行すると仮定する場合、5年ごとに交換すればよいです。

付随的な効果もあります。 ゴム軌道とISUの同時適用により、騒音や振動が従来の車両と比べて70%も減少したそうです。 また、鉄製軌道は地雷爆発時、それ自体が破片となり生存に脅威となりますが、ゴム軌道はそのような危険が少ないという長所もあります。

ハンファは米国ノースロップ・グルマン社の「Mk44 30mm機関砲」を主武装として採択しました。 M2ブラッドレー装甲車の25mm機関砲と同じ「電動式機関砲」で、不発弾が発生しても射撃を続けることができます。 ライバル車両のルクス装甲車は、このような機能がなく不発弾が発生した場合、乗務員が手動で対処しなければならない困難があります。 「対戦車ミサイル」はイスラエル・ラファエル社の「スパイクLR2」を装備します。 ハンファはスパイクミサイル発射台をすでに開発し、体系統合技術力が高いイスラエルのエルビットシステムズと提携して共同開発を進めています。

ハンファ・ディフェンスは豪州現地化にも力を入れています。 特にオーストラリアの砲塔製造会社EOS社に砲塔の製作と遠隔射撃統制システム(RCW)の開発を任せ、これにエルビットを含め強大な「チームハンファ」陣容を整えました。 ハンファはオーストラリア現地の中小企業400社と接触し、協力業者を物色するなど、現地に優しい納品構造を整えています。

●ハンファディフェンス、技術力で低い認知度を克服

装甲車に「航空機技術」が含まれていたといえば、信じられないかもしれません。 ところがレッドバックには、実際に▲アイアンフィスト▲アイアンビジョン▲状態監視装置(HUMS)の3つの航空機技術が含まれています。

「アイアンフィスト」はイスラエルが開発したアクティブ的防衛システムで、装甲車または戦車で接近する対戦車ミサイルなどをアクティブ電子走査式位相配列(AESA)レーダーと赤外線探知機などで事前に捉えて迎撃するシステムです。

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乗務員が車内でゴーグルをかけ、車外部の360度前の方向の状況を監視する「アイアンビジョン」もとてもユニークな技術です。 「状態監視装置」は車両運行中にリアルタイムで車両の状態と欠陥に関するデータを送信し、事故発生前に整備できるようサポートする管理システムのことです。 ハンファディフェンスのレッドバック開発チーム関係者は「各種防護キットと設計を基に銃弾と地雷、対戦車ロケットなどの攻撃にもびくともせずに搭乗兵力を保護できる世界最強の防護体系を備えていると言っても過言ではない」とし「最終選考に上がったということだけでもすでに技術力は立証されたと思う」と自信を表わした。

ハンファディフェンスは2018年、現在のライバル会社であるラインメタルへの共同開発の推進を求め、手を差し伸べました。 世界的な防衛産業企業だったラインメタルは、「認知度が低く、試作品もない」として、その提案を拒否しました。

しかし、ハンファは相対的に低いブランド問題を世界有数の防衛産業企業との協力とオーストラリア現地化戦略で克服しました。 ダビデがゴリアテと最終関門に立っただけでも、すでに第1戦はハンファディフェンスの勝利と言えます。 K9自走砲以降、もう一度「成功神話」を見せてくれることを期待します。

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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ