「日本が危機に陥った」…安倍のギャンブル
日本政府が半導体、ディスプレイ3素材、部品に続き、韓国をホワイトリストから除外した。
その背景と目的を巡る解釈はまちまちであり、実際に様々な視点から日本政府の歩みを解釈している。
「安倍政権」の立場から状況を解いてみれば、これまで出てきた分析は、180度変わる可能性がある。
■安倍の運命を賭けたギャンブル
安倍晋三首相は、第二次世界大戦後に築いた日本の経済力と円を担保に多大なギャンブルをしている。
2012年執権した安倍首相は、いつのまにか7年間首相の座を守り、日本の歴史上最長寿首相に挑戦している。ところが、彼と彼の支持勢力はあまり得られたものはない。
第二次世界大戦後、戦後秩序を終え「戦争ができる強い日本を作ること」が目的だ。簡単に言って、経済的能力に比べて大きく低下した日本の政治、外交、軍事力を引き上げ、「アジアの盟主」になるということだ。
しかし、「失われた20年」で経済活力が落ちて戦後秩序を否定しようとする意図を見抜いた主要国と周辺国の牽制で必要な目標を達成できていない。
■韓国を名分に政治的目標を達成する
7月末の参議院選挙で憲法改正のための議席数の確保に失敗した「安倍政権」は、イライラするだけの状況である。日本の有権者が自分たちの目標を圧倒的に支持しないので、安倍首相は、韓国を先ず利用することにしたのである。内部結束を介して政治的目標を達成するために、「外部の敵」を作るほど良い方法もないからだ。しかもその相手が微妙な国民感情が絡み合った韓国なら言うことなしだ。
安倍総理は韓国を叩けば色々得るかも知れない。 しかしただの「無料の昼食はない(there’s no such thing as a free lunch)」のでここには代価が従うが、その担保がまさに日本の「経済と日本円」だ。
■安倍が提供した担保は「円ブロック」
日本の円は、米ドル、EU圏のユーロとともに世界3大基軸通貨として分類される。
韓国銀行は、日本円が基軸通貨でありながら、世界的な金融市場で「安全通貨」に分類される理由をこう分析する。
(1)日本企業の高い競争力を土台にした経常収支黒字の継続と、これを基にした世界1位の対外純債権国
(2)日本経済主体の国内資産好みに応じた対外衝撃に強い国家債務構造
(3)日本経済の低不確実性と健全な国家ガバナンス
今回、日本が韓国を「ホワイトリスト」から除外して、追加の制裁と金融資産を回収する可能性があるという懸念が高まっている。もちろん、私たちは、甚大な被害と想像するのも難しい不確実性に陥る危機に瀕した。
同時に、日本自らも大きな危機に直面した。
2017年度基準で日本は私たちのお金で約3,240兆ウォンの純対外債権を保有している。中国が浮上する直前まで、アジアは日本の「中庭」だった。アジア開発銀行(ADB)の本部はフィリピンのマニラにあるが、これを運営、管理するのは、事実上日本だ。韓国をはじめとするアジアの発展途上国は、ほぼ例外なく、日本の投資と資金の融資を受けてきた。
ところが、もし韓国の実体経済制裁と金融制裁まで加えれば、アジアだけでなく、全世界での日本のお金を借りている国は、不安を感じるようになる。 「韓国ほどの経済力を備えた国でも「日本の言うことを聞かない」と攻撃されるならば、誰も安全ではない」という認識が広がっているわけだ。最近、日本がASEAN諸国をなだめる理由も正にここにある。
先に述べたように、日本は強大な製造業の競争力で積み上げた資本を輸出する世界3位の経済大国である。しかし、戦後に作られたこのモデルは揺れるしかなくなった。韓国銀行が分析した(1)、(3)が同時に信頼を失う可能性がある。
■安倍のパラドックスと韓国の未来
安倍首相はイライラするだけである。 「中国まで急浮上するというのに政治的に自身を支持してきた勢力を満足させることができないならば最長寿総理に何か意味があるだろうか?アジアの盟主は取り戻すことができるだろうか?」
結局、敗戦の灰の中から積み上げた日本の経済力と、これをもとに作られた「円ブロック」をで賭けに出たのである。韓国に報復することにより、政治的には勝利を得るかわからないが、経済的には、その信頼が根こそぎ揺れる可能性があるという点で、今回の事態で日本経済は大多数の日本人が気づかないまま、大きな危機に晒された。
日本経済が危機にさらされているという点をひたすら喜ぶこともできないのが韓国のジレンマである。安倍のギャンブルが成功すれば、それはそのまま韓国が経済的に大きな困難に既に直面したという意味であり、それによって発生する日本の経済的リスクが再び私たちの経済に「第2次空襲」を加えることができるからである。加えて、戦争が可能な別の超大国を隣国に置きながら安保的な側面でも耐え難い不確実性に直面することになる。
経済を含む私たちの生存自体が世界的な金融危機以来最大の体系的なリスク(米中貿易紛争など)に晒された中で、韓国だけが直面した体系的リスク(韓日葛藤など)まで加わっている。
韓国政府は、まさにこの点を全世界に知らせ、日本政府と国民にもその危険性を伝えなければならない。外交と経済のラインを総動員してでも、日本があまりにも大きな賭けをしていると訴えなければならない。それだけが主要国をはじめとする世界の世論を動かす道であり、安倍がギャンブルを止める近道になるだろう。
本当に隣国日本が危険になった。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ