日本「最低賃金の引き上げ」早足…韓国とは異なり、反発少なく

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雇用者が労働者の賃金を一銭でも少なくしようともがくのは普遍的属性である。それでも労働者の賃金を、いわゆる市場原理のみ完全に任せることはできない。最小限の人間の生活を保障しなければならないというのが常識であり、それに応じて登場した社会的合意が最低賃金制度である。最低賃金は、特に最小限の交渉権さえない脆弱な労働層には切実な制度である。

毎年この時期、日本でも法定最低賃金は、財界と労働界の最大の懸案となる。政府が一方的に労働界の意見を聞いて賃上げを促すが、これに対する財界とマスコミ、特に自営業者たちの反応が韓国とは全く違う。

「日本の平均最低賃金」9千ウォンに肉薄…東京は1万ウォンに迫る

安倍政府の圧迫の中、日本の平均最低賃金が2年連続で3%引き上げられると思われる。今年(2018年)10月から適用される時間平均最低賃金は、昨年(2017年)の848円より3%(26円)ほど上昇した874円(約8千800ウォン)水準に絞られている。

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日本では、広域自治体別に法定最低賃金が違う。労使代表と専門家で構成される(厚生労働省傘下)中央最低賃金審議会が平均最低賃金を定めた後、これを基準に、広域自治体別、地域別最低賃金を決定する。昨年10月から適用された最低賃金は東京の場合時間958円で平均値より13%ほど高い。一方、沖縄、長崎などは737円で、平均よりも13%ほど低い。日本政府は、最低賃金800円以下の地域をすぐにでも取り除くと意気込んでいる。

最低賃金の上昇は当然会社の負担に残る。韓国であれば、メディアが先頭に立って「反企業政権」「左派政権」云々する非難を吐き出しそうだだが、日本ではそのような反応が見られない。親企業性向の新聞はもちろん、政権に批判的な新聞でさえ、「最低賃金のために、零細事業主が死ぬ」という言葉をむやみに発しない。

日本の「管制春闘」…政府が「賃上げ」の先鋒

日本の年次賃金交渉は「管制春闘」と呼ばれる。春に集中している労使の賃金交渉で、政府が一方的に労働界の肩を持っているからだ。安倍政府は労働者の所得を増やし、経済を再生させると言って労働界を代理して賃上げ代理闘争をする面である。これに対してマスコミや野党も「反企業政権」「左派政権」云々の非難をしない。ただし、管制春闘の実効性を検証するだけである。実際には、政府の奨励を無視することはなくても、そのまま従う義務はない。だから効果があるかどうかは、常に議論の対象である。

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最低賃金の決定は、労使の賃金交渉とは少し違う。安倍政権の賃上げ意志があまりにも強いので、最低賃金水準の決定過程で、労働界の立場が多く反映される。やはりメディアが先頭に立って「反企業政策」、「左派政権」云々はない。最低賃金引き上げは、経済回生の最大の障害であるかのように声を上げるメディアも専門家もない。

慢性的な人手不足…「求職者1人に対して求人2の競争」

最低賃金を含む賃金交渉が韓国と他の面で展開されている理由は、複数ある。日本の経営者たちが韓国より善良であるわけでもない。まず注目されるのが慢性的な人手不足である。常に労働力が不足している。大都市であるほど深刻である。

有効求人倍率という概念がある。政府が把握可能な雇用市場、公共職業安定所で求職者1人当たりの求人数を示す。日本の有効求人倍率は、1.5を上回っている。人口が集中東京の場合、2.0を超えている。求職者1人に対し、企業2社が競合することになる。

去る5月基準の失業率は26年ぶりに最も低い2.9%を記録した。事実上、完全雇用状態である。言い換えれば、生産現場での最低賃金だけで安定した労働力を確保するのが難しいという意味である。これは、一定規模以上の企業だけでなく、比較的低賃金の仕事に分類されるレストランやコンビニエンスストアなどを含めた小規模事業所でも共通して表示される現象である。

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実際に東京都心のレストランや小規模小売店での最低賃金の1.5倍前後の雇用条件に掲げたアルバイト募集を簡単に見ることができる。最低賃金に加え交通費や食費などは別に支給する。それでも人を雇うのが難しい。不足している人手は外国人留学生などで満たされている。人手不足の原因は、高齢化や少子化などで、実際の労働可能人口が不足しているからである。安倍政権の景気浮揚政策が一定の部分の効果を出す側面もある。

不法滞在者の労働市場への参入制御…小商工人の保護

低賃金職種の人手不足は韓国と同様であるが、日本政府は、韓国とは異なり、不法滞在外国人が自国民の雇用を蚕食することを非常に強く制御している。日本国内不法滞在者は約6万人レベル。韓国の場合、30万人を上回る。人口は二倍に達するために、不法滞在者は1/5水準だ。不法滞在者が一般的に国民の低賃金雇用市場から蚕食するという点では、内需雇用市場を保護するための日本政府が強い意志を垣間見ることができる。

強力な賃貸借商人保護法の存在も韓国とは違う。もちろん、大都市、特に東京都心の商店街の使用料は、すでに殺人的レベルで高く、これを耐えられる借家人は制限されている。しかし、建物の所有者が頑として家賃を上げて、既存テナントを追い出すことはできない。小商工人たちが非正規職労働者の賃金を絞り取らなくてもいいという意味である。

超長期不況と「バブル経済崩壊」を経験して慢性人手不足と極度の消費不振に悩まされている日本社会は、持続可能な経済成長のためにそれなりに解決策を見つけて行っている。その解決策は、いわゆる「甲」の横暴は見落としたまま、「乙」が別の「乙」を搾取するような運転構造ではないというのが明らかに見える。

KBS
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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ