[科学を読む]サムギョプサル油、火力発電機回転させる?
[アジア経済キム・ジョンファ記者]最近も会食したときにサムギョプサルをたくさん食べますよね?サムギョプサルを焼く時、鉄板の横に紙コップを置いてサムギョプサルの油を集める姿も見慣れているでしょう。その集めたサムギョプサルの油は、どこに行くのでしょうか?
過去には、思ったより量が多く出たサムギョプサルの油は、そのまま捨てられて、環境を汚染させる大きな役割をしたりもしました。しかし、最近無駄に捨てられていたサムギョプサルの油が「バイオ重油」に変身して火力発電所の発電機を回すとして注目されています。既存の火力発電所で使用された燃料であるバンカーC重油を代替する燃料として位置づけられているのです。
バイオ重油は豚や牛、鶏の油などの動物性油脂、飲食店から排出されるサムギョプサルの油や家庭から排出される廃食用油を含む食物油、海外から輸入したパーム油カスなどを原料にして作られます。石油製品のように、別の精製・蒸留過程を経ずに、前処理→処理→混合工程を経て製造されます。
前処理工程では、サムギョプサルの油などの原料に含まれている異物やナトリウム、カリウム、リンなどの金属不純物をフィルターや触媒を使用して削除します。処理工程では、高い酸性の原料を中和させたり、色やにおいなどを除去します。混合工程では、各工程を経た原料を品質基準に合わせてブレンドさせます。
発電機の燃料として使用されるバイオ重油は、産業廃棄物や廃潤滑油などが混合されず、硫黄と窒素の含有量が低くなります。韓国石油管理院によると、微細粉塵の主犯である硫黄酸化物はほぼ排出されず、窒素酸化物は、バンカーC重油比39%、微細粉塵は28%、温室効果ガスは85%程度少なく排出することが分かりました。
さらに、既存のバンカー-C重油の生産設備をそのまま使用でき、他の再生可能エネルギーに比べて初期投資費用が少なくなるという利点があります。2014年から南済州火力発電所などでバイオ重油商用化のためのモデル事業を進めた結果、年間50万ℓ(リットル)のバイオ重油を使用したが、二酸化炭素排出量は88万トンほど減り、硫黄酸化物の排出は62~100%低減したものと集計されました。
温室効果ガスの低減効果が確実になると、政府は3月15日から全国の火力発電所にバイオ重油を普及させ始めました。このようにバイオ重油を石油代替燃料として火力発電所に全面普及させた国は、韓国が世界初だそうです。
しかし、まだサムギョプサルの油がバイオ重油の原料に占める割合は非常に少ないです。韓国のバイオエネルギー協会によると、2017年基準サムギョプサルの油と肉汁と豚足の製造過程で出てきた油などの動物性油脂がバイオ重油の原料に占める割合は3.7%にとどまっています。
食べ物の廃棄物から抽出した廃油が10.7%で、より多いです。バイオ重油の残りの原料はほとんどバイオディーゼル副産物(27.9%)や輸入したパーム油とパーム油の副産物(51%)に依存しているのが実情です。
産業部によると、2017年基準バイオ重油利用発電量は1451 GWhです。これは、再生可能エネルギーの発電量の4.4%水準で、国内総発電量に占める割合は0.2%に過ぎません。しかしながら、今年から全国の火力発電所にバイオ重油が普及し始めており、まだ初期段階であるうえ、バイオ重油を用いた発電量はさらに増加する見込みであり、環境保護にも大きな助けになるでしょう。
また、最近になって、バンカー-C重油を燃料として使用していた船舶もバイオ重油燃料に変えるという動きを見せています。今後、低硫黄油など環境に配慮し、燃料を使用する必要がある船舶は、バンカー-C重油とバイオ重油の価格帯と熱効率が似ているだけに、高価な低硫黄油よりバイオ重油を使うということです。
サムギョプサルの油一滴もそのまま捨ててはならないのでしょうか?飲み会時、サムギョプサルの油を集めるからと言って、レストランのスタッフにイライラしないでしょう?家庭でも捨てられる複数の油を別々に集め、バイオ重油メーカーに送ることができる方法を見つけたらと思います。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ