レムデシビル、コロナを捕らえる新薬になるか…同じ日に正反対の臨床結果

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新型コロナ感染症(コロナ19)治療剤の候補群の一つ「レムデシビル」の治療効果を一部立証できる臨床試験結果が出た。 米国立アレルギー伝染病研究所(NIAID)は29日(現地時間)、レムデシビルを投薬した「コロナ19」入院患者がそうでない患者より回復期間が31%短縮されたと発表した。 NIAIDのアンソニー・ファウチ所長は「今後コロナ19治療の標準になるだろう」と臨床結果を称賛した。 しかし同日、医学専門誌「ランセット」には「レムデシビルが統計的に有意義な効果を見せなかった」という研究結果が出た。 レムデシビルはコロナ19の拡散傾向を覆す「ゲームチェンジャー」になれるのだろうか。

コロナ19の突破口ではない

結論から言えば、レムデシビルをコロナ19の「標準治療」と断定するのはまだ無理だ。 レムデシビルの効果について、正反対に解釈する研究結果が混ざっているためだ。 さらに、NIAIDが発表した結果はまだ査読(peer review)を経ていない論文草案であり、信頼性を完全に担保することは難しい。

NAIDは今年2月から米国、英国、ドイツ、スペインなどで1090人余りのコロナ19患者に静脈注射を打つ方式で臨床を進めてきた。 臨床参加者を二つのグループに分けて、片方にはレムデシビルを処方し、もう片方にはプラセボを与えて経過観察した。 その結果、レムデシビルを投与しなかった患者は回復に15日かかった反面、投与した患者は11日かかった。 NIAIDはこれについて「31%ほど早い回復」と解釈した。 ファウチ所長は「100%ではないが、これは非常に重要だ」とし「レムデシビルがコロナ19を防げるということが立証されたからだ」と述べた。

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しかし、致命率(患者数対比死亡者数の割合)をみると、この薬を使った患者(8%)と使わない患者(11%)の間に意味の違いは現れなかった。 米スタンフォード大のミシェル・バリー教授はこの日、ニューヨークタイムズに「致命率が改善されるという研究結果が出る前に同僚審査過程も経ない論文について’治療の標準’云々するのはまともではない」と批判した。

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同じ薬で違う結果

同日、ランセットには「レムデシビルは効果が大きくない」という内容の研究結果も載せられた。 中国首都医大の研究チームが武漢で237人のコロナ19重症患者を対象に実施した臨床結果だ。 2月6日から3月12日まで行われた臨床は、患者と医師がどちらも偽薬と実際の薬が何なのか分からない「二重盲検無作為対照試験」方式で行われた。 その結果、プラセボ投薬と比較してレムデシビルが治療に肯定的な効果を見せたものの、統計的に意味のある水準ではないという結論が出た。 28日間投薬したとき、レムデシビルグループの症状改善率は65%で、プラセボグループの58%をやや上回ったが、有意義な結果ではないという意味だ。

一方、副作用のため、試験を中止した人は12%と、偽薬グループ(5%)より高かったと、中国研究チームは分析した。 この結果だけを見ると、レムデシビルの効果は大きくないが、副作用は大きいわけだ。

しかし、レムデシビルを開発中のギリアドサイエンシズは同日、薬物の治療効果が卓越していると主張する研究結果を発表した。 重症コロナ19患者397人を対象に行った臨床3相の結果だ。 それによると、レムデシビルを5日間投与した患者(200人)のうち64.5%(129人)、10日間投与した患者(197人)のうち53.8%(106人)が治療開始後14日ぶりに臨床的回復を見せた。 両治療群の患者の半分以上が2週間以内に退院した。 レムデシビルの効果について、異なる結論を下した研究結果が、同日発表されたのだ。

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科学ジャーナルのうち権威誌とされるネイチャーは、ギリアド社と中国首都医大の研究結果、いずれも信頼性に欠けると指摘した。 ギリアドが発表した結果は、プラセボ投薬グループがあまりにも少なく、中国の場合、発病拡散の勢いが弱まり、参加者を募集するのに困難を経験し、臨床が早めに中止されたため、研究結果の解釈は難しいという。 ネイチャーは「小さな臨床試験が洪水のように溢れているが、その中でコロナ19治療効果を説得力を持って見せてくれたものはなかった」と分析した。

スクリップス研究所のエリック・トーポール局長はワシントンポスト紙に「コロナ19にとって突破口のような薬ではないが、効き目があり安全だ」とし「良い結果と悪い結果が入り混じっているが、良いスタートと言える」と評価した。

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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ