配信日時:2018年4月22日(日) 8時20分
2018年4月21日、4年前の4月、修学旅行中の高校生ら304人が死亡・不明となった韓国の旅客船「セウォル号」の沈没事故。沈没原因は復元力(傾いた船を元の状態に戻す力)喪失など船体内部の問題が定説だったが、韓国紙は「外部衝突説」が提起され、調査委員会が公式に調査する方針を明らかにした、と報じている。
セウォル号は1994年に日本で建造され、鹿児島―沖縄航路に就航していた。当時は5階建てで、船底に最も近い1階部分に貨物甲板、2階に乗用車約200台分の車両甲板、3階にレストランや案内所、売店などがあり、客室は3階より上だった。
2012年に引退後、韓国に売却。その際、最上階部分の船体後方に客室を増設したり、船首右舷側の貨物用ランプウェイを取り外したりするなどの改造が施され、重心が日本時代より高くなった。定員数は921人、総トン数は6825トンにそれぞれ増加。車両180台、20フィートコンテナ152個を積載可能な船舶として、13年3月から仁川―済州間週2往復の定期運航を開始し、定員を生かして団体旅行にも利用されていた。
ハンギョレ新聞によると、沈没原因を原点から再度調査しているセウォル号船体調査委員会(船調委)はこのほど、「惨事当日、左舷のフィンスタビライザー(船のバランスをとる設備)側の船尾から船首の方向へ、水中物体によって衝撃を受けたのではないかという疑問が提起された」と指摘。「フィンスタビライザーが正常範囲を超えて動いた原因が何なのかを確認した検査などを総合した結果、外力説についてさらに調査する必要があるというのが船調委の判断だ」と説明している。
セウォル号のブラックボックス(航海データ記録装置)の映像にも着目。「正常に船が旋回すれば1秒に1度も傾くことはないが、ブラックボックス映像を見ると、船が1秒に10度も傾くなど、外力が作用しなければ説明できない点が発見された」ともしている。
これまでセウォル号沈没の原因は過積載、復元力の喪失、固定の不良、操舵ミスの検察当局が発表した四つが定説となっていた。船調委は「検察が明らかにした原因は、総合的に沈没原因を調査して出た結論ではなく、復元力喪失という結論を決めて行ったものと見なければならない」と批判しているという。
韓国の文在寅大統領は沈没事故の「完全な真実究明」と行方不明者の捜索継続を約束するメッセージをフェイスブックに投稿。李洛淵首相も事故からちょうど4年の16日に開かれた犠牲者追悼式で同様の約束を明言した。船調委の調査結果によっては事故が改めてクローズアップされる可能性もありそうだ。(編集/日向)
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Source: おもしろ韓国ニュース速報