彼は「原型(ethno-core)」を民族や集団が持つ独特の性格として、文化を形成して歴史の展開様式を決める価値体系と説明する。原型を中心に複雑系の観点から歴史現象を把握して観察する新しい歴史哲学が、彼が確立した原型史観だ。民族単位の集団無意識に対する精神分析の一環だ。
金博士は19世紀が西欧勢力による帝国主義的侵略の歴史だったなら、21世紀はそれに対する逆襲で幕を開けたと話す。歴史と伝統、種族を無視して勝手に線引きした強者に対する弱者の怨恨が米同時多発テロを招き、イスラム国(IS)のテロにつながったと説明する。東アジアの場合、カオスの中心に韓半島(朝鮮半島)の犠牲があったし、その怨恨に対する弱者の逆襲が北朝鮮の核武装として表れたということだ。
シンガポール米朝首脳会談が世界史的、文明史的に重要な意味を持つのはこうした背景のためだと金博士は話す。誰が強者と話すのが難しいほど完全に対等な立場で米朝首脳が会ったのは、強者に対する弱者の逆襲が収めた成功を象徴するという。米本土まで打撃できる核武力を完成することで「共倒れの構図」を作り出した金正恩(キム・ジョンウン)委員長は決して容易な相手ではないというのが彼の評価だ。
金正恩委員長の株価が急上昇している。気に入った合コンの相手の電話番号を受けるようにトランプ大統領は金正恩委員長と電話番号を交換した。安倍晋三首相からプーチン大統領まで、金正恩委員長に会うことを強く望んでいる。仲介外交で韓半島の平和の門を開いた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の株価も大きく上がった。韓国の指導者が国際社会でこれほど高い評価を受けたのは我々の現代史でかつてなかった。
(中略)
今まで米国は非核化が前提になってこそ米朝両国は信頼を築き、関係正常化と平和体制の構築も可能だという立場を見せてきた。しかしシンガポールでトランプ大統領は相互の信頼が構築される時に非核化も進展するという論理を受け入れた。 北朝鮮核問題の本質が相互の敵対関係にあることを認めたのだ。北朝鮮の核という癌を治療するためには悪性腫瘍を招いた体質から改善すべきだという方向に考えを変えたと見ることができる。
今後、北朝鮮非核化は非核化の段階別履行で信頼を築き、その信頼に基づいて非核化の難関を突破する相互作用方式で進行される可能性が高い。信頼がない状態でCVIDは政治的なスローガンにすぎない。北朝鮮の核問題解決は韓半島と北東アジアを越え、弱者と強者が共存する新しい世界秩序を創発するバタフライ効果を起こすことができると金博士は話す。
「わが民族の集団無意識に大きな傷を残した体質化された事大意識から抜け出し、韓半島の非核化を実現し、弘益人間(広く人間社会に利益をもたらすこと)の精神で北東アジア共同体の中心となる時、韓半島は地政学的なくびきから開放され、世界史の主役になることができる」。日帝治下で生まれ、現代史の足かせを全身で耐え抜いた老学者の苦言だ。
ペ・ミョンボク/コラムニスト/論説委員
ソース:中央日報/中央日報日本語版<【コラム】韓半島発の世界平和の夢>
http://japanese.joins.com/article/405/242405.html
読む必要はない
どうせ大したことは書いてない
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Source: おもしろ韓国ニュース速報