ところが今、日本の文化財の世界にも、同様の「器の小ささ」が広がっている。この1年間の大阪研修で知り合った関西の博物館関係者は「今の雰囲気は最悪だ」と言った。「対馬の仏像」による日本国内の反韓感情が深刻なためだ。韓国の窃盗犯たちが対馬から高麗時代の仏像を韓国に持ち込んだが、これを忠清南道瑞山市の浮石寺に引き渡すよう命じた韓国の裁判所の判決に基づき、現在まで日本に返還されていないというのが事の発端だ。
被害は韓国の博物館に及んでいる。特に高麗建国1100周年を迎えて今年12月に開催される予定の「大高麗展」がこの直撃を受けている。国立中央博物館は、開放的かつ独創的な文化を築いた高麗の総体的な面を見せるため、世界各国に散らばっている高麗時代の名品を集めているところだ。多くの名品が日本にあるため、日本側の協力が緊要だ。しかし、一部の寺や私立博物館は窓口すら閉ざし、国立・市立博物館も「日本の重要文化財に指定されている最上級の名品は貸せない」と難色を示している。
日本のある学芸員は「韓国とは関係を維持しなければならないので、私たちも貸し出したい。だが、文化庁が許可を出してくれないので困っている」と言った。作品を所蔵している機関が貸し出したいと言っているのにもかかわらず、日本の文化庁が「ノー」と言っているというのだ。日本では、国が指定した国宝や重要文化財を海外に持ち出す場合、政府の許可を受けなければならない。最上級の文化財である高麗青磁や経典、螺鈿(らでん)漆器数点が日本の重要文化財に指定されている。政府が許可しなければ、高麗展に出品もできない。
対馬から盗まれた仏像は今からでも返すのが当然だ。略奪について確証がないのにもかかわらず盗品を返さないがために、必要な交流まで足を引っ張られているのだ。しかし、所蔵者個人の意志ではなく、政府が上から貸し出しを阻んでいるのなら、これは別次元の問題だ。高麗青磁は日本の重要文化財である前に高麗の遺産であり、子孫である韓国人たちには鑑賞する権利がある。たった1つの判決を口実に正当な文化財交流まで妨害するのは、問題をさらに大きくするだけだ。表では「クール・ジャパン」を唱えながら、裏では「アンクール」(uncool)な日本政府の後姿が苦々しい。
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版【コラム】器が小さい日本の文化庁
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/09/21/2018092101779.html
続きを読む
Source: おもしろ韓国ニュース速報