1: 2018/07/20(金) 08:13:31.21 ID:CAP_USER

「ネトウヨ」とは誰のことなのか? 彼らが“マスゴミ”と呼ぶ理由〈dot.〉

7/19(木) 7:00配信
AERA dot.

 なぜマスメディアはネットを中心に“マスゴミ”と忌み嫌われるのか? 現代においてもっとも過激な批判の声を発信するである「ネトウヨ(ネット右翼)」の憎悪の源はどこにあるのか。橘玲が『朝日ぎらい~よりよい世界のためのリベラル進化論~』(朝日新聞出版)で明かした彼らの実像とは。

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「リベラルな朝日」はなぜこれほど嫌われるのか?

 その理由のひとつは、社会全体の高齢化とともに「リベラルの保守化」が顕著になったことだ。このひとたちの主張は「(自分たちの既得権にかかわることは)なにひとつ変えたくない」に要約できるが、これでは若者たちから見離されても仕方がない。

 しかしこれだけなら、「朝日ぎらい」に見られる底知れぬ憎悪は説明できない。たんなる政策論争や政治思想のちがいなら、論壇やアカデミズムで議論すればいいだけだ。

 しかし現実には、書店の店頭には「朝日ぎらい」の雑誌や書籍の煽情的なタイトルが並んでいる。特定のメディアへの批判がひとつのマーケットをつくりだすのは(おそらく)日本でしか見られない珍現象で、それだけ日本の戦後において朝日新聞の存在が大きかったということなのだろう。

「朝日ぎらい」の理由を訊けば、多くのひとが滔々と語るだろう。そのなかには正当なものもあると思うが、ここでその一つひとつを検証しようとは思わない(>>1�。私の興味は、「朝日」についてなぜひとはこれほどまで感情的になるのか、ということだ。

 それを知るためには、現代においてもっとも過激な「朝日ぎらい」である「ネトウヨ(ネット右翼)」について考えてみる必要がある。

 日本におけるネトウヨの定義は難しい。「朝鮮人を殺せ」などの醜悪なヘイトスピーチを行なう団体がネットから生まれたことは間違いないが、最大のヘイト団体である在特会(在日特権を許さない市民の会)の会員を直接取材したものは、ジャーナリスト安田浩一氏の『ネットと愛国』(講談社+α文庫)、『ヘイトスピーチ―「愛国者」たちの憎悪と暴力』(文春新書)と社会学者樋口直人氏の『日本型排外主義―在特会・外国人参政権・東アジア地政学』(名古屋大学出版会)くらいしかない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180717-00000064-sasahi-sci

AERAは、朝日新聞出版が毎週発行する週刊誌である。正式には「朝日新聞ウィークリー AERA」という。

3: 2018/07/20(金) 08:14:07.12 ID:CAP_USER

「定職をもたないか、非正規で低賃金労働に従事する貧しい若者」が社会に対する憎悪を韓国や中国、「在日」や「朝日」にぶつけているというのが一般的なネトウヨ像だろうが、樋口氏はこれは根拠のないステレオタイプで、排外主義運動の参加者には大学卒やホワイトカラーのサラリーマンも多いという。しかしこれにしても、直接ライフヒストリーの聞き取りができたのは34名で、この調査だけでは全体像はわからない(サンプル数が少ないのはそれだけ協力者を集めるのが難しいからだ)。そこでここではとりあえず、SNSやネットニュースのコメント欄にヘイト発言を繰り返し投稿するひとたちを考えてみよう。

 ポータルサイトの分析では、ニュースのコメント欄へのヘイト発言は主に1週間に100回以上のコメントをする“コア層”によってなされており、1%の投稿者がコメント全体の20%を形成している。

 こんなことをしていてはまともな社会生活は送れないと思うのだが、ネトウヨについてのいくつかの調査は、彼らの中心が40代であることを示している。これは奇しくも、20代で日本と世界の激変を体験し、「右」と「左」の価値観が逆転した世代だ。

 ヘイトコメントの大量投稿がごく一部だからといって、ネトウヨを特殊なひとたちと切って捨てることはできない。彼らがヘイト投稿に夢中になるのは、高い評価(いいね)と結びついているからだ。ネトウヨの背後には、彼らのコメントに共感する膨大な“サイレントマジョリティ”がいる。
 ネットワーク社会論の木村忠正氏は、ネットニュースのコメント欄などの投稿を分析し、「ネット世論」に頻出するテーマとして次の3つを挙げている(>>2�。

(1)韓国、中国に対する憤り(嫌韓・嫌中意識)
(2)「弱者利権」(立場の弱さを利用して権利を主張、獲得する)認識に基づく、マイノリティ(社会的少数者)への違和感
(3)マスコミに対する批判

 そのうえで木村氏は、ネトウヨを愉快犯的な投稿に駆り立てる主要な動機は、「嫌韓・嫌中」というよりも「弱者利権」批判だと指摘している。「ネット世論の主旋律には、社会的少数派や弱者に対する強い苛立ちが脈打っている」のだ。

4: 2018/07/20(金) 08:14:20.37 ID:CAP_USER

「在日特権」という語に象徴されるように、ネトウヨは少数派(マイノリティ)の権利の訴えを「自分たちは弱者だと主張することで利権を手に入れようとしている」と考える。

 ネトウヨの「嫌韓・嫌中」には、「歴史修正主義やナショナリズムの問題というよりも、慰安婦問題、戦争責任、戦後補償、植民地支配について、韓中にいくら謝罪しても結局(第二次大戦時における弱者の立場を盾に取り賠償金をとろうとして)問題を蒸し返されるという意識が根底には強く横たわっている」。だからこそ嫌韓・反中のナショナリズムは「少年法(未成年の保護)」「生活保護」「ベビーカー」「LGBT」「沖縄」「障害者」などへの批判や不寛容へとシームレスにつながるのだ。

 ネトウヨは、従来のリベラル的「マイノリティポリティクス(少数派のための政治)」を強烈に批判・嘲笑し、彼らなりの「正義」と「公正さ」を積極的に求める。木村氏はこれを「非マイノリティポリティクス」と名づけた。「非マイノリティ」とは「マジョリティ」のことだが、彼らは「マジョリティ」として満たされていないと感じている。

 私なりに解釈すれば、「非マイノリティ」というのは、名目上はマジョリティ(多数派)だが実体としてはマイノリティ(少数派)であるひとびとのことだ。「在日特権」の語に象徴されるように、「『弱者』を装って利権をほしいままにするマイノリティ(外国人)のために、自分たちマジョリティ(日本人)が『弱者=被害者』になっている」という倒錯した意識がネトウヨの特徴だ。

 マスメディア(朝日的なるもの)を「マスゴミ」と揶揄する背景にも、この「非マイノリティポリティクス」がある。これは少年犯罪に顕著で、ネトウヨは、未成年であることを理由に加害者の人権が保護される一方で、生命を奪われた(未成年の)被害者の実名や顔写真が報じられることの理不尽さを繰り返し告発することで、自らの手で「正義」を実現しようとしているのだ。

>>1�現在に至る朝日批判は、1994年に刊行された稲垣武氏の『「悪魔祓い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任』(文藝春秋)でほぼ語りつくされているだろう。
>>2�木村忠正「『ネット世論』で保守に叩かれる理由 実証的調査データから」『中央公論』2018年1月号。詳細は『ハイブリッド・エスノグラフィー』として新曜社より近刊予定。

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Source: おもしろ韓国ニュース速報