1: 2018/08/14(火) 05:21:34.72 ID:CAP_USER

◆在日コリアンの子どもたちが危機的状況…日本社会の抑圧、済州島・在日コミュニティ計画始動

今、韓国の済州島を舞台に「在日コリアンのコミュニティをつくろう」という動きが進められている。
「済州在日村プロジェクト」だ。 
背景には、在日コリアンをめぐる厳しい現実がある。

マイノリティである彼らは、日本社会のなかで生きづらさを感じるのが常だという。
そうした事情が反映されてか、在日コリアンは精神疾患を生じやすく、自殺率は一般の日本人と比べて2~10倍という見方もある。
自らも在日コリアンで発起人の金床憲氏(歴史研究家・絵本作家)は「在日の子どもたちは危機的な状況に置かれている。日本社会で否定され、非難を受け、我慢を強いられてきた。子どもたちが臨時避難できる場所をつくりたい」と語る。

同プロジェクトでは、次世代の若者が言語・文化などの民族的素養を学べる学校や宿泊施設を建設する。
そこに、日本の高校を卒業した在日コリアンの子弟200人あまりを受け入れ、韓国語を学びながら地域の農家で農作業を手伝うなど、「国際交流村」としての機能も狙う。
この異例のプロジェクトについて、金氏に話を聞いた。

■在日コリアンの自殺率は一般日本人の10倍?

――今、在日コリアンをめぐる状況はどのようなものなのでしょうか。

金床憲氏(以下、金) 昨年、東洋大学の金泰泳教授が『在日コリアンと精神障害―ライフヒストリーと社会環境的要因』(晃洋書房)を上梓したことで可視化されつつありますが、困難な状況に直面しているにもかかわらず、手をさしのべる人はほとんどいません。

そんな現状に危機感を抱き、在日村プロジェクトを提案しました。
日本人は世界のなかでも自殺率が高いといわれますが、同書によると、在日コリアンの自殺率は一般の日本人の約2倍です。
これにはいわゆるニューカマーも含まれており、オールドカマーに限定すればもっと高くなるとの見立てで、3~4倍になるかもしれません。
 
新幹社という出版社の高二三編集長は在日コリアンの文化人として著名ですが、高編集長は「在日コリアンの自殺率は一般の日本人の10倍くらいでは」と推定しています。
在日フィリピン人や在日ブラジル人と比較しても、10倍を超えるのではないでしょうか。
在日コリアンには精神疾患も多いとされていますが、特徴は中年になってから発症するケースが多いことです。

いろいろな意味で子どもの頃からずっと耐えてきて、50歳を超えると耐えきれなくなるのです。
よく、「在日コリアンは怒りやすい」ともいわれますが、人間は我慢を重ねたり抑圧されすぎたりすると怒りっぽくなる傾向にあるのです。
金教授によると、心療内科の医師などは保守的な人が多く、必ずしも在日コリアンの治療に前向きではないという事情もあるようです。

――在日コリアンの子どもたちの環境はどうなのでしょうか。

金 テレビでは韓国や北朝鮮の報道が多いです。

「韓流ブーム」のように前向きな報道であれば別ですが、マイナスの内容が多いのが実情です。
今は在日コリアンも日本や本国の方と結婚するケースが増えており、約90%を占めています。
在日コリアン同士の結婚は約10%で、在日社会も多様化しているといえます。
 
それにともない、問題も出てきています。
たとえば、母が一般の日本人で父が在日コリアンの夫婦が離婚すると、母親は父親のみならず韓国の民族性をも否定することがあり、子どもは心の中で葛藤することになります。
在日コリアンの子どもは、学校で常に緊張にさらされています。

韓国を擁護するような言動をすれば、相当なバッシングを浴びますから。
そして、物心がついてインターネットを見るようになれば、そこには韓国や朝鮮へのヘイトスピーチがあふれています。
思い悩み、逆に韓国や朝鮮を否定する論調の“ネット右翼”になるケースもあるほどです。

韓流ブームの当時はよかったのですが、今は在日コリアンであることをカミングアウトしづらい時代です。
出自がばれると、より“日本寄り”の立場に立たないと村八分のような状況になるという恐怖心を抱いている学生も多いです。
常に恐怖とプレッシャーにさらされているため、精神疾患になる可能性が高いのです。
また、自殺念慮も多いといわれています。

写真:韓国の済州島
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ビジネスジャーナル 2018.08.13
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24409.html

※続きます

2: 2018/08/14(火) 05:23:56.05 ID:CAP_USER

※続きです

■「京大を出たのに、鉄くず屋をやってるんだ」

――在日コリアンが厳しい境遇に置かれる、根本的な問題はなんでしょうか。

金 日本社会のシステムは、マイノリティにとっては過酷です。

韓国国籍保有者は、公務員であれば地方公務員の末席にしかなれず、大企業に入社できたとしても出世は望めません。
そのため、私の周囲の在日コリアンは外資系企業への就職者が圧倒的に多いです。
安定した職に就きにくいという問題は、昔のほうがひどかったです。
以前、コリアンタウンとして知られる大阪・生野の居酒屋で飲んでいたとき、団塊の世代の在日コリアンが「私は京都大学を卒業しているのに、鉄くず屋をやっているんだ」と吐露していましたが、日本社会にはいまだにマイノリティに対する壁があると思います。
しかし、そういうことは数値化されないため、差別の実態が理解されにくいのです。

――そこで、在日村プロジェクトを推進しているのですね。

金 私は在日2世ですが、私の世代はいいとして、4世や5世にまで悪い流れが続くのは看過できません。

もっと自由で緊急避難的な場所が必要だと考えて、在日村プロジェクトを提案しました。
目的は、まずは次世代の若者が言語・文化などの民族的素養を学べる学校を済州島につくろうというものです。
私は、準備実行委員会の発起人を務めています。
メンバーは趣旨に賛同した日韓両国の約20名で、建築家や行政書士、教育関係者らです。
朝鮮学校は統廃合が進み、韓国学校も増える余地がなく、在日コリアンの子弟は日本学校に行くしかないのが実情です。
外国人の多い大都市圏は理解者が多いのでまだいいのですが、問題は地方です。
在日コリアンの子どもたちが追い込まれ、置き去りになっています。

――その救済の舞台として、済州島を選んだということですね。

金 まず、済州島に農業試験場をつくります。

また、海外在住の韓国人などを支援する在外同胞財団(韓国外交部の下部組織)が本部を済州島に移管しました。
同財団が4000坪の土地を借りて教育施設の建設を進めており、完成の際には在日コリアンの子弟の入学も検討しています。
さらに、済州特別自治道(韓国の自治体)と協力する可能性もあります。
済州島には3つの大学がありますが、耽羅大学が廃校になり、跡地の活用に困っているため、その一部を使うという案もあります。
済州島で在日コリアンとしての存在感を示し、地域に貢献するため、日本食も取り入れた在日コリアンの食文化を提供する商業施設を建設する構想もあります。
それらが実現すれば、済州島の観光資源の一翼を担うことができると考えています。

■帰化しても何も変わらない、在日コリアンの現実

――壮大なプロジェクトですが、進捗はいかがですか。

金 農業試験場は今年中にスタートします。

学校関係では、すでに在外同胞財団などに間接的にアプローチしています。
また、済州島で3月に農業関係のセミナー、4月には古民家再生に関するセミナーを開きました。
実は、古民家再生の技術は百済から伝わったものが多いのです。
今はただの霊園となっていますが、大阪の富田林市新堂大工町はかつて百済の大工たちが移り住み、彼らが近畿圏内の寺院を建設していました。

――実現に向けた情熱は、どこから生まれるのですか。

金 並大抵の苦労ではないですが、危機感が原動力です。

在日コリアンを精神的に解放させたいというのが狙いです。
なかには「うちの子は大丈夫、帰化するから」と言う人もいますが、必ずしも帰化すれば大丈夫というわけではありません。
むしろ、何も変わらないことのほうが多いでしょう。
金教授も、「帰化しても精神的な状況などは変わらないだろう」と話しています。 
一方で、在日村プロジェクトについては、同じ在日コリアンから「こういう話は聞きたくない」という声もあります。
いずれにせよ、あくまで主人公は若者です。40代以上はサポート役に徹していきたいです。

※おわり〆

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Source: おもしろ韓国ニュース速報