▲フランスの碩学ジャック・アタリ氏。
「未来を予測する最上の方法は未来を発明することだ」という言葉もあるが、フランスの碩学ジャック・アタリ氏(75)は未来を予測することが可能だと主張する。今回、韓国語の翻訳本が出版されたアタリ氏の『どう未来を予測するのか:歴史のシグナルを読めば未来が見える』は未来学分野の力作(tour de force)であり分類が容易でない本だ。「予測で見た人類の歴史」という印象を受ける一方で、幸福・成功の秘訣を整理した自己啓発書のような本でもある。未来のビジョンも提示している。
誰でも毎日5分ずつ訓練すれば自分の未来はもちろん家族と企業の将来、国の運命まで見通すことができるという主張もある。欧州思想界のスターであるアタリ氏は「ポジティブ・エコノミー(positive economy)」を提案した未来設計者としても有名だ。ポジティブ・エコノミーは短期的な利益を追求する個人主義的経済に代わる、未来世代の利益までも考慮する公益的経済だ。アタリ氏にメールでインタビューした。アタリ氏の未来予測はテロリズムの浮上から共産主義の衰退、人工臓器の商用化、急激な気候変動までいくつも的中している。
(中略)
--50年以内に中国・北朝鮮を含むすべての国が西欧式の民主主義を受け入れる可能性はあるのか。
「50年以内にすべての国が自由民主主義国家になる可能性はある。しかしそうなるまでには混乱があるかもしれない。資本主義は全域に膨張し、全世界的(global)になったが、民主主義の作動の元肥である法治主義はまだ地域的(local)だ。非対称的だ。このような状況は国際体制に不均衡をもたらす。しかし市場のグローバル化のために全世界的な法治主義は避けられない。資本の流れを規制し、略奪的行為を防ぐためだ。また別の非対称問題がある。民主主義国家の政治家の短期的目標は、民主体制の持続可能性のために必要な長期的目標と衝突する。民主主義は2大挑戦に直面した。一つは民主的統治方式が国際化しなければならず、もう一つは目前の利益と長期的な視点を調和させなければいけない。これは民主体制を保全して未来世代の利益を守るために必要だ。子孫の利益を考慮する政策決定を軽視すれば、長期的に民主主義が危険に直面するかもしれない」
--太陽系が消える前に人類は脱出に成功するだろうか。
「太陽系はすぐに消えるものではない。少なくとも30億年は残っている。それよりも人類の生存を脅かす、より至急で重要な問題を扱わなければいけない。その一部は気候変動や大量破壊兵器のように人類が自ら招いたものだ」
--韓国の未来はどう見ているのか。
「韓国の未来は韓国にかかっている。韓国がいま何をするかによって韓国の未来が変わるだろう。私は楽観主義者でも悲観主義者でもない。楽観主義と悲観主義、ともに受動的な態度だ。私は行動の価値を信じる。このような考えが私が主張したポジティブ・エコノミーの核心アイデアだ」
--今後の世の中を支配する価値は。
「未来社会の予測も重要だが、各自が自分の自由について考え、自分の未来を予測する環境を用意することも重要だ。私たちはみんな自分の人生と国、人類に対して責任がある。それで私は利他主義が21世紀の人類の生存のための核心価値だと信じている」
ソース:中央日報/中央日報日本語版<フランス人学者ジャック・アタリ氏「韓国の未来は…」>
http://japanese.joins.com/article/217/238217.html
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Source: おもしろ韓国ニュース速報