「韓国のベントレー」ジェネシス… レクサス退かせる

韓国の現代自動車と日本のトヨタ自動車はライバルと呼ばれる。 グローバル販売量や売上高の面では直接比較するのは難しいが、消費者の認識にはあまり差がない。 15年以降、現代車は欧州や米国など主要市場で16社以上の受賞実績を記録したが、トヨタはこれといった受賞実績がないという点もこれを裏付ける。 プレミアム市場では、現代のジェネシスがトヨタのレクサスと対決する。 今年の車耐久品質調査などでレクサスを抜いて1位になるなど、発足5年で収めた成果にも驚かされる。 昨年、ワールドラリーチャンピオンシップ(WRC)モータースポーツ大会でも現代はトヨタを抜いてシーズン総合優勝を獲得した。 現代車は先端技術を通じてトヨタを圧倒する未来を準備する。

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「ジェネシス」ブランドが現代自動車から独立して約5年になる。「韓国型プレミアム」を掲げ、グローバルプレミアム自動車市場に挑戦状を突きつけた現代車の努力も少しずつ実を結んだ様子だ。 現代自動車グループのチョン・ウィソン首席副会長体制から本格化したジェネシス高級化戦略は、メルセデス・ベンツ、BMWなどに代表されるグローバルプレミアム自動車市場で新しい歴史を書き下ろしている。

韓国の「ベントレー」を夢見るチョン・ウィソン

チョン副会長は2015年11月、現代車が保有していた高級セダンのエクウスをジェネシスに統合し、「独立ブランド」としてスタートさせた。 当時、プレミアム自動車市場の見通しは明るかった。 当時、グローバル市場調査会社のIHSによると、2015年に約900万台規模のプレミアム自動車市場が5年後の2020年には1000万台規模に成長すると見通した。 グローバル自動車市場の約10%をプレミアム自動車が占めると見込んだのだ。 韓国自動車産業協会などによると、15年のグローバル自動車市場規模は、約8900万台だった。 その後、毎年9600万-9800万台にとどまっている。

大林大学自動車学科のキム・ピルス教授は「国内は高コスト低生産構造」とし「高コスト問題を解決できなければ高効率化に集中して1台を売っても収益をたくさん上げるプレミアムブランドを生産しなければならない」と強調した。 続いて「ブランドイメージを高めて収益率を高めることが生存に役立つ」と付け加えた。

プレミアムブランドは、単に高価自動車だからといって認められるわけではない。 業界では口をそろえてブランド認知度の重要性を強調する。 これはメーカーの歴史と差別化されたデザイン、走行と先端機能、空間の活用性など複合的な要素が調和を成してこそ実現できるというのが共通した意見だ。

チョン副会長はジェネシスブランドに高級イメージを植えつけるため、頭からつま先まですべてを新たに変えた。 ブランド独立の発足と共に、プレステージデザイン室を新設するなど、ブランド専従組織まで備え、ジェネシスの高級化戦略に拍車をかけた。 翌年、ジェネシスのマーケティングを担当するジェネシス戦略チームと商品性改善などに集中する高級車商品企画チームを新設したのもそのためだ。

ジェネシスの早い定着に向け、破格的な外部人材の迎え入れにも乗り出した。 イタリアの高級ブランド「ランボルギーニ」を陣頭指揮したマンフレッド・フィッツジェラルドをジェネシスの首長に座らせた。 従来の現代車のデザインとも一線を画すため、ルーク・ドンカボルケ元ベントレー首席デザイナーを現代デザインセンター長に迎え入れたりもした。

輸入車業界の関係者は「ジェネシスが海外有名ブランドに携わっていた人材を攻撃的に迎え入れ、品質を大幅に改善してきた」とし「最近GV80、G80などを通じて見せたデザイン、商品性などは輸入車と比べても劣らないことを感じさせる」と話した。 同氏は「ジェネシスの水準はドイツのプレミアムブランドと比較しても決して不足はないと思う」と付け加えた。

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レクサスをベンチマーキングしたジェネシス

市場ではジェネシスとレクサスが比較される。 ブランド発足の時点や認知度などで違いはあるが、大衆ブランドの高級化戦略で誕生したという共通点があるためだ。 現代車がジェネシスブランドを立ち上げた当時、「日本の代表的な大衆ブランドであるトヨタの高級化ブランドであるレクサスをベンチマークした」という評価が多かった。

カムリなど大衆向け自動車に集中していたトヨタは、1989年レクサスを発売、米国市場に第一歩を踏み出した。 ブランドだけのアイデンティティを盛り込んだデザインである「ファミリールック」を最近になって確立しているという点も似ている。 メルセデス・ベンツの横型グリル、BMWのキドニーグリルのようにレクサスも2015年から砂時計形状のスピンドルグリルを固守し、自分だけの固有イメージを消費者に本格的にアピールし始めた。

ジェネシスも同様だ。 大きな盾を思わせるクレストグリルがジェネシスのファミリールックとして位置づけられ始めた 今年のGV80とG80で見せた2列のクアッドランプも、見た瞬間「ジェネシスだな」と思わせるデザイン要素になったと評価されている。

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「26年の品質格差を縮めた」

韓日両国の大衆ブランドがお目見えしたプレミアムブランド「ジェネシス」と「レクサス」。 両ブランドの発足時期だけを見ると、26年程度の格差がある。 プレミアムブランドを決定する要因の一つがブランドの歴史であるだけに、まだ市場でレクサスをジェネシスの上と見る見方が多い。

販売量ではまだ比較しにくい。 2019年のレクサスのグローバル販売台数は76万5330台で、ジェネシス(7万7195台)より約10倍多い。 ただ、最近、ジェネシスに向け殺到する世界市場の評価は、販売台数以上のことを示している。 ジェネシスが発足して5年も経たないうちに品質力でレクサスを超えたという評価だ。 2020年2月、グローバル自動車市場の中心地である米国でも、その価値を認めた。 米市場調査会社のジェイディーパワー(J.D. Power)が発表した「2020年耐久品質調査(VDS)」でジェネシスがレクサスを抜いてトップの座に就いた。

当該評価結果はジェネシスに意味するところが大きい。 VDSは車を購入して3年が過ぎた時点で、車主に177項目を提示し、品質に対する満足度を調査することだ。 レクサスが2019年まで8年連続で守ってきたVDS1位の座をプレミアム自動車市場の後発走者であるジェネシスが上回っている。 これはベンツ、ポルシェ、ジャガー、ビュイックなど名前だけ聞いても分かる海外有名ブランドにも出来なかったことだ。 今や品質の良い車といえば、レクサスの代わりにジェネシスが浮上するという意味だ。

ジェネシスは短いブランドの歴史にも関わらず、グローバルプレミアム自動車市場で注目を集めている。 2019年6月にはジェイディーパワーの「2019新車品質調査(I&S)」で2年連続総合1位となり、3年連続プレミアムブランドの1位となった。 2018年末にはジェネシスのG70が世界最高の自動車専門誌に挙げられる米モータートレンドから「2019今年の車」という称号を受けた。 韓国自動車がこのような評価を受けたのは史上初。

ジェネシスブランドが短期間で好評を受け、世界自動車市場で注目を集めているのは事実だ。 このため、これを維持するための具体的かつ地道な作業が必要だと専門家たちはアドバイスする。 キム・ピルス教授は「名品ブランドになるためにはストーリーテリングが重要だという点で現代車の歴史を知らせる作業が必要だ」とし「法人分離と整備網の構築などで現代、起亜と他のジェネシスだけの色を見せる作業も必須」と説明した。

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Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ