「バッテリーだけ掘り続けた『サラリーマン』ノーベル賞栄誉」日本世界5位のノーベル科学賞「底力」
米グッドイナフ教授、97歳の最高齢受賞者注目
日本人ノーベル科学賞受賞者24番目…ノーベル化学賞だけで8番目
(ソウル=ニュース1)チェ・ソマン記者=リチウムイオン電池)を開発し、商品化に寄与して別名「充電する世界」を開いた米国・英国・日本人科学者3人が今年のノーベル化学賞を受賞し、ノーベル科学賞歴代最高齢者の97歳の受賞者が出た。27番目の日本人ノーベル賞受賞者も誕生した。ノーベル科学賞に限定すると、日本人の受賞者は今回が24回目だ。
スウェーデン王立科学アカデミーノーベル委員会は9日(現地時間)、2019年のノーベル化学賞受賞者に、アメリカ人のジョン・グッドイナフ(97)テキサス州オースティン大学教授、イギリス人のスタンリー・ウィッティンガム(77)ニューヨーク州立大学教授、日本人吉野彰(71)、日本名城大学教授兼旭化成フェローを選定した。
リチウムイオン電池は二次電池の一種で、放電過程でリチウムイオンが負極から陽極に移動し、充電時にはリチウムイオンが正極から負極に再移動して元の位置に戻ることとなる電池である。これらの概念は、ウィッティンガム教授が1970年代に提示した。硫化チタン(TIS2)を陽極に、金属のリチウムを負極に使用し、電流が流れる道を作った電池構造を開発した。しかし、バッテリーの容量が2V(ボルト)のレベルであった。
これをグッドイナフ教授は、1980年代に陰極を硫化金属の代わりに金属酸化物に置き換えて、バッテリー容量を最大4Vまで引き上げた。それでもまだ爆発の危険性がために商用化が難しかったリチウムイオン電池を、1985年吉野教授がコバルト炭素材料に置き換えて使用すると、「充電する世界」が開かれるようになった。
今回の受賞者の中でグッドイノプ教授の年齢は97歳、最高齢者ノーベル賞受賞者となった。これまでの最高年齢の受賞者は、2018年度ノーベル物理学賞受賞者であるアーサー・アシュキン米国ベル研究所の博士であった。当時アシュキン博士は96歳だった。
また、日本人の受賞者がいるという点も目立つ。日本国籍者のノーベル賞受賞は今回が27回目だ。吉野は化学賞を受けた8番目の日本人として記録された。これまで日本は、物理学賞11人、生理医学賞5人、化学7人を輩出した。ノーベル科学賞の24番目の受賞者が誕生したわけだ。
京都大大学院卒業後、1972年に世界1位のリチウムイオン電池メーカーである旭化成に入社し井戸を掘り続けた吉野は学界ではなく、産業界出身という点で注目される。ノーベル科学賞は、通常、学界出身一色だ。大阪大学で博士号を取得したことも、企業の現場で研究のキャリアを積んだしばらく後の2005年である。企業の専門分野が強い吉野は2017年から名城大名誉教授職を兼ねている。
昨年基準で、日本は、米国267人(43%)、イギリス88人(14%)、ドイツ70人(11%)、フランス34人(7%)に次いで23人(4%)で最も多くのノーベル科学賞を排出した世界5位の国である。
グッドイナフ テキサス大学教授の研究室で、2006年から2010年まで研究した経験があるキム・ヨンシク蔚山科学技術院(UNIST)エネルギー科学工学部教授は「3人は、商用化されたリチウムイオン電池の巨匠たち」と評価し、「彼らの革新的な発見のおかげで今のリチウムイオン電池が日常で使用することができるようになった」と評価した。
イ・ドクファン西江化学教授は、「リチウムは、最も軽い金属元素であり、リチウムイオン電池は、反応性の高いリチウム金属の代わりに黒鉛を負材活物質として使用して爆発の危険性が少なく、比較的従来のバッテリーよりもはるかに安全だ」と説明した。
ノーベル委員会はこの日、「現在、携帯電話、ノートパソコン、電気自動車などのすべての分野で使われているリチウムイオン電池は、化石燃料がなくても『充電が可能な世界』を開いた」と評価した。
今年のノーベル科学賞受賞者には900万スウェーデン・クローナ(約10億9000万ウォン相当)の賞金とメダル・証書を授与し授賞式は、アルフレッドノーベルの命日である12月10日、スウェーデンのストックホルムで開かれる。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ