堅固になる半導体中華同盟…揺れる「サムスンの夢」
TSMC、 Huawei社背負ってシェア↑
サムスンシステム半導体1位目標牽制
心強い味方アップルまで掲げ
[ソウル経済]中国の通信機器メーカーであるHuawei社と台湾のファウンドリ(半導体受託生産)メーカーであるTSMCとの間の蜜月が強化され、サムスン電子(005930)の「2030年のシステム半導体1位」を達成が容易ではないだろうという見通しが出ている。 Huawei社は、米国政府の制裁の中でも超微細工程に基づいたモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)の開発に速度を出しており、TSMCは世界のスマートフォン市場シェア2位のHuaweiを背負って、積極的な投資を断行している。
2日、DigiTimesなど外信によると、TSMCの超微細工程でHuawei傘下ファブレス(半導体設計)メーカーであるハイシリコンが発注した半導体物量が最も高いシェアを記録している。現在のグローバルファウンドリーのうち7ナノ以下の超微細工程は、サムスン電子とTSMCだけが導入しており、ハイシリコンはTSMCだけに物量を任せている。 TSMCの7ナノ以下の工程は、すでに注文がいっぱいになった状態で、一部ではTSMCがハイシリコン側物量を工程に優先配分したという分析も出ている。 TSMCのおかげで、Huawei社のAPシェア拡大戦略が一層速度を出すことができるわけだ。
TSMCはHuaweiという強固な友軍のおかげで、さらに積極的な戦略を展開している。 TSMCは今年の投資額を年初比50%増やし150億ドルに拡大する計画であり、1台当たり2,000億ウォンである極紫外線(EUV)露光装置の確保にも積極的だ。特に今年第3四半期、中国メーカーのTSMCの売上寄与度は、前年同期比5%ポイント増の20%を占め、Huawei社への依存度が高まっている。半導体業界の関係者は、「米国の制裁でHuaweiとTSMCとの間の関係に亀裂が入るだろうという見通しもあったが、二人の関係は、まだ「血盟」レベル」とし「総合半導体(IDM)企業のサムスン電子としては、最近、各国の貿易障壁の拡大などで友軍確保が思ったより簡単ではない状況だ」と明らかにした。
◇遠ざかるサムスンのファウンドリ1位の夢=「メモリに続き、ファウンドリ(半導体受託生産)を含むシステム半導体分野でも確実な1位を取る」
イ・ジェヨン サムスン電子副会長は、4月の京畿道華城サムスン電子事業場で開かれた「システム半導体ビジョン宣布式」で、2030年のシステム半導体部門1位を掲げた。サムスン電子は、以後「人工知能(AI)の脳」とも呼ばれるニューラルネットワークプロセッサ(NPU)の投資計画と極紫外線(EUV)ベースのファウンドリ技術ロードマップ公開など積極的な動きを見せている。
問題は、競合他社がメモリー半導体に続き、システム半導体まで掌握しようとするサムスン電子の動きを不利にするという点である。サムスン電子が今年4月に世界初のEUVプロセスベースの7ナノ半導体を量産したが、グローバルファウンドリー市場シェアは第1四半期19.1%から2・4四半期18%とかえって落ちたのも、このような牽制のためという分析が出ている。グローバルファウンドリー市場シェア1位のTSMCとグローバルスマートフォン市場シェア2位のHuawei社は、お互いを助け合って能力を引き上げているのとは対照的である。国政壟断裁判と関連する事業の不確実性が依然として高いうえ、日本の輸出規制による素材調達支障問題まで加わり、サムスン電子のシステム半導体1位達成は不可能という見通しも出ている。
Huawei社は今年9月に5G通信チップと、独自のニューラルネットワークプロセッサ(NPU)が内蔵されたAP「キリン990」を披露し、モバイルAP市場で急速に存在感を高めている。 Huawei社のAPは傘下ファブレス(半導体設計)メーカーであるハイシリコンが設計を担当しており、Huawei社側の説明によると、キリン990はTSMCの7ナノEUV工程で量産される世界初の5G用モバイルAPである。英国の半導体設計会社であるARMは、米国の制裁に賛同し、Huawei社のAP製作時の半導体設計資産(IP)の提供を中断するという話があったが、Huawei社は、「ARMとの協力は問題なく進行している」という立場だ。ただしHuawei社は、独自の技術を通じたAPの開発にも力を入れている。
クアルコムを越えて世界1位のモバイルAPメーカーへの飛躍を狙うサムスン電子の立場では、Huawei社のこのような歩みは決して歓迎しない。サムスン電子は、高性能モバイルAPシェア拡大のため、先月、デュアルNPUを搭載して、独自の7ナノEUV工程を経て量産する「Exynos 990」を公開したが、Huawei社との技術の差が大きくないという評価が出ている。 Huawei社のKirin 990は、デュアルNPUを採用したうえExynos 990と同様にARMの半導体設計資産(IP)であるコアテックス-A76に基づいたCPUが搭載されたからである。 TSMCの超微細工程でアップルやクアルコムではなく、ハイシリコンが発注した物量が今年第4四半期で最も高いシェアを占めているうえ、来年第1四半期までこのような状況が続くとの見方も自社ファウンドリとAP技術力間の「シナジー」を狙うサムスンの立場では良くない。
Huawei社が出したスマートフォン10台のうち7台には、ハイシリコンが設計したAPが搭載されており、今年HuaweiのグローバルAP市場シェアは増える可能性が高い。市場調査機関であるSAによると、昨年、モバイルAP市場でHuawei社は、10%のシェアでクアルコム(37%)・メディアテック(23%)・アップル(14%)、サムスン電子(12%)に次いで5位を記録している。 Huawei社は、今年第1四半期に世界のスマートフォン市場シェア17%で、サムスン電子(21%)に次いで2位を占めており、今年に入って9月までのスマートフォンの販売台数も前年同期比26%増の1億8,500万台を記録した。米国の制裁のために、ヨーロッパなどでは販売量が減少したが、中国国内市場の「Huawei後押し」のおかげで、全体の販売量がかえって増えた。
TSMCはHuawei社と心強い味方を信じて一層積極的な成長のロードマップを用意している。 TSMCは今年に入って、オランダASMLが独占生産しているEUV露光装置を独占しており、今年の年末南台湾のサイエンスパークに3ナノ工程工場着工に出てサムスンとの格差拡大に力を加える。 TSMCはHuawei社のほか、アップル、AMD、クアルコムなどを顧客群に確保しており、今年第3四半期には前年同期比13%以上増の34億5,900万ドルの営業利益を記録した。市場調査機関のトレンドフォースによると、TSMCの今年第3四半期のグローバルファウンドリ市場シェアは直前四半期比1.3%ポイント増の50.5%で、サムスン電子(18.5%)との格差も大きい。
サムスン電子は、IBM、インテル、NVIDIA、クアルコムなどを顧客に確保しているがファウンドリ市場で物量以外「友軍」がなく、日本の輸出規制にEUV工程核心原料であるフォトレジスト需給に問題が生じる可能性があるという顧客の懸念という負担もある。プレミアムスマートフォンで、サムスン電子と競争しているアップルがサムスンの牽制としてTSMCを好んでいる点も痛い。ティム・クックアップル代表は、今年8月にドナルド・トランプ米国大統領と会い、「アップルは、関税のためにサムスンより厳しい」と訴えているなど、サムスン・アップル間の長年の特許訴訟後も牽制の紐を離さずにいる。
半導体業界の関係者は、「TSMCはHuaweiという確かな顧客はいるので、サムスンに比べてより攻撃的な設備投資が可能であり、Huawei社はまた、米国の各種制裁の中でもTSMCと友軍のおかげで、AP市場で先を行く姿」とし「一方、サムスンはイ副会長の裁判関連の問題とメモリー半導体市況の悪化などでひたすら攻撃的投資に乗り出すのは難しい状況だ」と明らかにした。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ