台湾で吹き荒れた反中感情で「韓流」完全に消える
「中国変数」に大統領選挙大敗し、市長も追い出され
弾劾で政治生命致命傷…執権民進党に更に力乗るだろう
台湾政治史で類を見ない劇的な成功ストーリーの主人公だった韓国瑜(ハン・グォユィ)・高雄市長が6日、市民から弾劾を受けた。
台湾史上初の有権者の選択で追い出される地方自治体首長という不名誉を抱えることになり、彼は今年1月の大統領選敗北に続き、回復が不可能なほど深い政治的致命傷を負った。
一時期、台湾政界を熱く盛り上げた韓国瑜ブーム「韓流」が完全に沈静化したのだ。
韓国瑜は、台湾の政界で異端児のような独特なスタイルの政治家だった。
2000年代初めまで国会議員を務めたが、台湾人の間で認知度がほとんどなかった。しかし、2018年11月に行われた台湾地方選挙で政界に復帰した。
現政権民主進歩党(民進党)の20年間の票田である高雄市長選挙で予想を覆して勝利し、一挙に野党の中国国民党(国民党)の政権再創出のための必勝カードに浮上したのだ。
深い戦略がないポピュリズム政治家という非難の中でも、韓国瑜は大衆の感性に訴える簡単で簡潔な政治的メッセージを打ち出し、既成政治家に嫌気がさした有権者の心をつかんだ。
高雄市長選挙の際に掲げた「高雄が大金を稼げる」という代表政治スローガンは単純・明快さを好む彼の政治的スタイルを端的に示している。
気さくで親しい隣のおじさんのようなイメージも、韓市長が持つ強力な武器だった。
2018年夏、高雄に大雨が降った時、一人で傘を持ったままズボンを捲り上げ、浸水現場を回りながら住民を慰問した姿は大衆に大きな好感を与えた。
党内基盤が極めて脆弱だったが、韓国瑜は昨年、大衆的人気を追い風に台湾最高の富豪、郭泰明を抜いて国民党の大統領選候補に選出された。
昨年上半期までは、中国では韓国瑜代表が人気が大きく落ちた蔡英文総統を抜いて次の総統府の主人になるとの観測が有力だった。 複数の大統領選仮想世論調査で、韓国瑜の支持率は蔡総統のほぼ2倍まで上がった。
しかし台湾大統領選に影響力が大きい「中国変数」が結局その足を引っ張った。
昨年6月から本格化した香港の民主化デモをきっかけに、台湾では「一国二制度(二つの国家体制)」を強要する中国に対する反感が急速に高まった。
中国にルーツを持つ国民党は「親中勢力」という烙印を押され、世論の地形は急激に台湾独立を目指す民進党の方に傾いた。
外部要素のほかにも、韓市長の「奇行」に近い言動など、候補の資質問題もしばしば俎上に載せられた。 党内選挙の相手だった郭泰明が離党し、第3党候補の支持まで失う内輪もめの様相まで起こり、国民党陣営は完璧に崩れた。
結局、蔡総統は1月の大統領選挙で歴代最大得票を記録する勢いを見せながら続投に成功し、韓国瑜は本業の高雄市長職に戻った。
こうした中、有権者が韓国瑜を弾劾したのは両岸(中国と台湾)関係が引き続き遠ざかり、台湾の政治地形が親中陣営の政治家に不利に変わっていることを示しているとの分析も出ている。
台湾独立志向勢力である民進党の政治勢力が強固になったことで、忍耐が底をついた中国政府が武力統一の可能性を随時警告する中、台湾ではこれに対する反作用で反中感情がさらに深まっている。
台湾中央研究院が今年4月に183人を対象に行った世論調査で、「中国政府は台湾の友達ではない」と回答した人の割合は73%と過去最高を記録した。
このような中、今後の補欠選挙で、政権党の民進党が長年の票田である高雄市長の座を取り戻すなら、ただでさえコロナ19阻止の成功で支持率が高い蔡英文総統の政権基盤はさらに堅固になるものと見える。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ