利息どころか元金全て蒸発?…1兆販売の金融商品「爆弾」
[アンカー]
元金が保証されるという銀行の言葉を信じて投資したら、利息どころか元金まで危ないとなればどうしますか?いくつかの銀行が1兆ウォン分も売った金融商品が元本すべてを失いかねないという懸念が高まっています。論議が大きくなるにつれ、金融当局が一歩遅れて実態把握に乗り出しました。
イ・ハンジュ記者です。
[記者]
問題となった金融商品であるDLSとDLFは、海外金利と連動したデリバティブ(金融派生商品)です。
お金を預ける時に金利が一定の範囲にとどまれば、4~5%の利益を得ます。
ウリィ銀行とKEBハナ銀行が主に販売しました。
販売総額は1兆ウォンに達します。
しかし、米中貿易戦争の余波で、グローバル金利が揺れ動くと、大規模な損失が控えています。
ウリィ銀行が販売した商品の場合、ドイツ国債金利が-0.2%以上であれば利益を得ることができますが、最近-0.7%まで落ちました。
すぐ次の月から満期で返ってくるわけですが、このままでは元金の10%すら助かりません。
損失額が数千億ウォンに達する可能性があるという見通しが出てきます。
多くの企業が倒産した「KIKO事態(※)」とそっくりです。
金融当局は、一歩遅れて実態把握に乗り出しました。
金融当局は、今週中にウリィ銀行とKEBハナ銀行の調査に着手します。
金融監督院は、紛争調整申請が入ってきた苦情を検討した結果、リスクを適切に通知しない事例が多いことが報告さています。
※KIKO(Knock In Knock Out)事態
韓国で猛威を振るった「KIKOオプション」(引用元:新宿会計士の政治経済評論)
https://shinjukuacc.com/20180403-01/
この「KIKOオプション」、2008年の、いわゆる「リーマン・ショック」前後で、韓国で大きな社会問題となった金融商品です。為替相場がウォン高・ドル安方向に行けば儲かるようなKIKOオプションで、利用していたのは中小企業が多かったようです。
しかし、金融危機直後ということもあり、当時、実際には猛烈なウォン安・ドル高方向に向かい、一時は1ドル=2000ウォン近くにまで下落する展開となりました。2008年といえば、ちょうど1998年の韓国の「IMFショック」から10年目であり、再び韓国が金融破綻するのではないかとの恐れもありました。
しかし、2008年12月に日本銀行が韓国銀行との間で、「円・ウォン」の通貨スワップ(BSA)協定の規模を200億米ドル相当額にまで拡充するなどしたおかげで、パニックが過ぎ去り、無事、韓国はこの危機を乗り越えました。
(余談ですが、「日本が通貨スワップを拡充してくれたおかげで危機を乗り切った」という事実をきちんと報じている韓国メディアが存在しないのは、お約束といえるかもしれません。)
それはともかく、経済が破綻する直前にまで追い込まれるほど韓国社会を蝕んだこの「KIKO」という金融商品については、あまり詳しく触れられていません。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ