「4・27板門店宣言」1周年記念行事が北朝鮮側の参加がないまま韓国だけによって執り行われた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も27日の行事には参加せず、映像メッセージだけが映し出された。行事が始まる直前まで参加について態度を明確にしなかった北朝鮮は逆に「南朝鮮当局は自重・自粛せよ」として韓国政府を非難した。北朝鮮の朝鮮中央通信はこの日、すでに大幅に縮小された韓米合同軍事演習を改めて問題視し「無分別な戦争演習騒動で得るものは惨憺(さんたん)たる後悔と破局的な結果しかないことを肝に銘じよ」と非難した。ある外交筋は「文大統領は南北関係改善を通じて朝米非核化交渉の膠着(こうちゃく)状態を打開する構想を持っているが、北朝鮮がこれに応じようとしないため壁にぶち当たっている」とコメントした。
■一方的な寂しい行事、北朝鮮は韓国政府を非難
この日夕刻、板門店の南側地域では、昨年4月27日に行われた南北首脳会談で2人が会った軍事境界線(MDL)や徒歩橋などで6回にわたり演奏会が開催された。韓国統一部(省に相当)、ソウル特別市、京畿道が共同で主催した記念行事だった。ソウル市と京畿道の一般市民200人以上を含む410人以上が行事に参加したが、北朝鮮からは1人も参加しなかった。韓国政府関係者によると、行事が始まる前に板門閣(北朝鮮側)では朝鮮人民軍兵士らが時折姿を現し、韓国で行われる行事の準備状況を撮影している様子が目に付いたという。今回の記念行事は終末のゴールデンタイムとなる午後7時から50分間にわたり地上波3社によってリアルタイムで放映された。ただしその一方で「板門店宣言は南北双方による共同の合意という点で大きな意味がある」「韓国側だけで記念行事を行っても意味がない」などの指摘も相次いだ。
文大統領は行事には出席せず、3分16秒の映像メッセージを送った。その中で文大統領は「時に立ちはだかる難関の前で、しばらく息をおいて共に道を探さねばならない」と訴えた。北朝鮮は今なお南北対話に応じようとしない。この言葉にはその現実に対する文大統領のつらい心境が込められているとの見方も相次いでいる。文大統領が「難関」という言葉を使ったことについて上記の外交筋は「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は米国による制裁を『難関』や『障害』などと表現していた。これについて南北が共に今後の解決策を見いだしたいという意味のメッセージだ」と解釈した。しかし別の外交関係者の間では「対話が実現しないことへのあせりから、文大統領が今後も北朝鮮に対して低姿勢を続けた場合、韓米間の協力体制が悪化することもあり得る」などと懸念する声も上がっている。
続く。
イ・ミンソク記者 , 板門店=共同取材チーム
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/29/2019042980015.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/04/29 09:30
続き。
文大統領はメッセージの中で「板門店宣言は一つ一つ履行されている」とも述べた。しかしこれまで板門店宣言の成果とされてきた南北連絡事務所は、ベトナムで行われた2回目の米朝首脳会談決裂以降、その所長会議は9週間にわたり開催されていない。南北首脳会談で合意した首脳間のホットラインも稼働しないままだ。かつて外交部次官を務めた高麗大学の金聖翰(キム・ソンハン)教授は「文大統領は『今後も南北は引き続き合意を実行に移す』『膠着(こうちゃく)状態もいつか解消される』などと希望的な観測を繰り返し語っているだけだ」などと指摘した。
■北朝鮮にばかり関心を持つことで外交的孤立を招くのか
外交に詳しい専門家の間では、北朝鮮から「無視」されている今の状況では、韓国、米国、日本による3カ国の協力体制はもちろん「韓米同盟も困難な状況に追い込まれるのでは」と懸念する声が上がっている。米国、日本、中国、ロシアなど周辺4大国と北朝鮮は様々な形で外交を展開しているが、韓国だけが孤立しているとの指摘も相次いでいる。
歴史問題で今なお激しい対立が続く韓日関係は「6月に大阪で予定されている主要20カ国首脳会議(G20サミット)で韓日首脳会談は開催されない」と報じられるほど最悪の状況にある。文大統領は今月25日にロシア政府高官と会った際、大阪でのG20サミットに参加する意向を示した。これについて韓国大統領府のある関係者は「様々なルートを通じて(日本と)協議中だが、(韓日首脳会談が)開催されるかはまだ決まっていない」と明らかにした。別の外交部OBは「G20で両首脳の会談が実現しなければ、韓日関係は回復のための重要なポイントをも失うことになる」と懸念を示した。
文大統領は今月11日の韓米首脳会談の際、トランプ大統領に来韓を要請したが、トランプ大統領ははっきりとした回答をしなかった。これについても韓国大統領府は「外交ルートを通じて協議中だ」としかコメントしていない。しかし南北と米国の間で非核化に対する考え方の違いが解消されていない状況では「トランプ大統領による今年上半期中の来韓が実現するかは不透明」との見方が支配的だ。
終わり〆
続きを読む
Source: おもしろ韓国ニュース速報