ワクチン1人分より抜き出す国産の注射器…接種現場では混乱招く
疾病庁「接種人数を増やすのではない」としながらも残余量投薬可能公文書
医療陣の熟練度によって、ファイザーワクチン6人または7人…「無理して事故」
国内企業が開発した新型コロナウイルス感染症(コロナ19)注射器がワクチン1バイアル当たり接種回数を予想より1-2回さらに増やすことが確認されたことで、予防接種に青信号が灯ったという意見と一線の医療現場で混乱が大きくなったという意見が交錯している。
コロナ19ワクチンはバイアルの中のワクチン定量を注射器で取り出した後、体内に注入する方式だ。 ワクチン1バイアル当たり数回接種でき、この過程で定量配分に失敗すれば、残った量を捨てることになる。
◇ファイザーワクチン1バイアルから最大7人分抽出…当局「接種人数の増加ではない」
防疫当局は先月26日、アストラゼネカワクチンを国内で初めて接種し、特殊技術で開発した国産注射器を使えば、1バイアル当たり一定量のワクチンが残ることを確認した。
例えば最小残余型注射器(LDS)を使えばアストラゼネカワクチン接種量は従来の1バイアル当たり10人から最大11~12人まで増やすことができる。 ファイザーワクチンも従来の6人から7人まで接種人員を増やす。
LDS注射器は、捨てられるワクチン物質を最小化するためにピストンと針の間の空間がほとんどないようにした特殊な製品だ。 国内ではシンアヤンヘンとドゥウォンメディテックがLDSを作っている。
チョン・ギヒョン国立中央医療院院長は先月27日、ファイザーワクチン接種現場でも「(ワクチン)凍結したものを解凍すると約0.45ccある」とし「1.8cc生理食塩水を混ぜると総量が2.2ccほどになるが(1回の注射量を)0.3ccにすると7人分が出る」と明らかにした。
ファイザーワクチンは原液に食塩水を薄めて注射する形態だ。 これについて、ファイザーワクチンを「水ワクチン」と誤解するケースがしばしば起きているが、防疫当局はワクチンの特性に合った投薬法だと説明している。 LDSを使えばワクチンを追加で確保する効果が期待できる。 こうした事情から、コロナ19予防接種対応推進団は先月27日、「接種後の残余量は廃棄量減少のため追加接種することができる」という公文書を全国の医療現場に発送した。
しかし、防疫当局は公式的にワクチン1バイアル当たりの接種人数を増やすことには線を引いた。 万が一の廃棄量を補うためで、公式的に接種人数を増やしているわけではないという立場だ。 ワクチン接種量を拡大するのではなく、廃棄量を相殺するということだ。
バイアル当たり許可されたファイザーワクチンの総量は6人分だというのが疾病管理庁の公式立場だ。 ワクチン残余量投与は義務ではないが、現場で可能な状況であれば、そのように進めろということだ。
チョン・ギョンシル・コロナ19予防接種対応推進団予防接種管理班長は「接種人力熟練度によって(1バイアル当たり使用量が)6回分出ない場合もある」とし「この場合廃棄量が発生すれば十分な人数接種できず廃棄量相殺レベルで残余量を使用する」と説明した。
◇注射器効果は医療スタッフの熟練度依存…専門家「無理すれば事故発生」警戒感
結果的に、医療現場で柔軟に対応すべきだというのが、防疫当局の立場であることになる。 しかし、医療現場では混乱が大きくならざるを得ない。 匿名を要求したある内科専門医は「ワクチン廃棄量を減らすという趣旨は理解する」としながらも「医療陣熟練度によって1バイアル当たり接種人員を増やす効果が現われたり注射器だけ捨てることも発生する」と指摘した。
続いて「公式的な措置ではないと言いながらも公文書を送って医療陣が自ら対応しろというふうに措置している」とし「医療陣に責任を転嫁するものと誤解を招く恐れがある」と指摘した。
ワクチンボーナス抽出は米国でもその事例が報告されている。 特に、ファイザーワクチンは米国でも7回まで抽出できることが分かった。 米食品医薬品局(FDA)も昨年12月、ワクチン1バイアル当たり6-7回抽出して使用できると判断した。
ただ、海外でもファイザーワクチン1バイアル当たりの接種人数を7人と見ていることには懸念を示している。 7回目の抽出は、医療陣の熟練度のみに頼って現れかねない現象だからだ。 公式にこれを認めた場合、ワクチン接種の現場に大きな混乱が発生しかねない。 変数が多いのも問題だ。
嘉泉大学吉病院感染内科のオム・アンシク教授も先月28日、自分のフェイスブックに掲載した文で「接種者数を最大に固定すれば現場が忙しくなり、ミスや事故が発生する恐れがある」と指摘した。 韓国が7900万人分のワクチンを確保しただけに、残りのワクチンを無理に抽出して使う必要はないという主張も多い。
政府が確保したコロナ19ワクチンはアストラゼネカ、ファイザー、モダーナ、ノババックス、ヤンセンの5種で7900万人分だ。 防疫当局は全国民の70%以上がワクチンを接種し、11月までにコロナ19の拡散を自然に抑制する「集団区域」を達成する計画だ。
Source: かんこく!韓国の反応翻訳ブログ